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空気の通り道はしっかりと。

温度計によると、ただいま薪ストーブ本体の温度は270度ほど。この時点で薪ストーブの座る居間の室内温度は24度でした。当日は外気温が5度ほどです。
府中の家は、すべての居室が天井付近の空気の通り道でつながっています。だからすべての部屋が同じ温度になるかというと、そういうわけではありません。現実に、南側の板間の室温は8.5度でした。
天井面ですべてつながっている・・・というのに、つながっている部屋の温度がそれぞれに違うってどういうこと?と疑問に思われるでしょう。空気は暖められると上昇します。そして、冷たくなると下に降りてきます。ですから、暖かい空気の入っていくところと、冷たい空気の帰ってくるところ(出て行くところ)がないと、その部屋は暖まらないのです。つまり、部屋の扉を開けないと、たとえ天井面がつながっていても部屋は暖まらない・・ということです。ですから、各個室の扉を開け閉めすることで、どの部屋を暖めて、どの部屋は暖めないかを制御出来ます。
空気の通り道がしっかりと設計されていると、各部屋を小さな小部屋に区切って個別にエアコンを付けなくてもそこそこに室温の制御が出来ます。夏場には、扉を少し開けておくと空気の通り道が熱い風の逃げ道になり、室温の上昇を緩和します。エアコン使用時にも扉を閉めておけば、エアコンの冷気が空気の通り道から逃げ出すことはありません。このへんが空気の通り道の妙。設計段階からちゃんと考えていたいものです。