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現物はバーチャルに勝る。

最近はバーチャル技術が進んできて、たいがいのことはモニター画面で確認できるようになりました。設計事務所でもパース(完成予想図)はCG画面でとても精密に作ることが出来ます。でも、緻密になればなるほど小さな違いが気になります。そんなこともああって、私の事務所では完成予想図はわざとリアリティのあるものより、スケッチタッチの絵画風なもので出して、細部のことより全体の雰囲気を伝えるようにしています。
住設機器のショールームなどでは当然、精密なCG画面がモニターに映し出されます。しかしそれでは、住まい手は手応えを持って決めることが難しいようで、結局現物見本を手に取りながら詳細を詰めることになります。あるメーカーでは写真のような模型を用意していて、それぞれの色や仕上げを取り替えながら目の前で模型を作っていけるようにしています。試していただくと・・・これがなかなかいける。色々と迷っておられたのに、これならどう・・・これに換えると・・・と試しながら、ほんの数分で好みのものを作り上げてしまいました。
やはり、バーチャルでは得られない現実感を、小さくても手に取って触れるものでは得やすいようです。最後にはまだまだアナログ世界にはかなわないな・・・と思った次第でした。