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空気の通り道 府中の家では。

参考に、府中の家の空気の通り道の計画をご紹介します。
写真は薪ストーブが座っている居間・台所と空間が一体になっている食堂から、奥の個室(板間10帖)方向を見たところです。空気は暖まると上に登り、冷えると下に降りる性質がありますので、空気を動かすためには上下の空気の通り道に高さの差が必要です。府中の家では、上(左上の格子)下(中央部の扉)それぞれの開口部の高さの差は約4メールほどでしょうか。これだけあれば結構空気は動きます。

上部の空気の通り道は板間10帖のロフト部分にあって、板間10帖とは本棚手すりのスリットや扉のない出入り口でつながっています。食堂側の暖気はこの格子を通ってロフトに入り、ロフトと板間10帖を充分暖めて、暖気が冷えるとともに床方向に下がり、扉から食堂側に戻り、また暖まって格子から入ってくる・・・という循環を繰り返します。
板間10帖を暖める必要のないときには扉を閉めておけば暖気の循環は起こらず、エネルギーロスは少なくてすみます。冷房時はこの逆の循環が起こりますが、いずれにしても扉の開け閉めで制御できます。