作品集works

丸太大黒の家

  • 住宅
  • 吹き抜け
  • 階層:木造2階建

住まい手インタビュー 4年目

スペースは、自由に使い回す

建築当時は子供がまだヨチヨチしていたので、階段を上り下りしない生活をしました。そのまま馴染んで、現在も1階が暮らしのベースです。
開放的なリビングは、家族のお気に入りの場所。みんなが集まってきます。今は親の居るところへ自然と子供達がついてくるので、ずっと一緒です。あと数年も経って大きくなると、それぞれの時間を過ごし始めるかもしれませんが……。夜もリビングの続きの和室で全員で寝てます。着替えも収まっていて、朝目覚めたら身支度を済ませゴハンを食べて出かけるまで、リビング周りですべてを完結できます。
2階には一応子供達に1部屋づつ個室を用意していて、オモチャなどを置いてあります。子供達が一人で寝るようになると、1階の和室は夫婦の寝室になると思うんですが……。子供達が将来どんな状況かはまだわからないので、時期がきたら「どこがええ?どこで寝る?」って聞きながら考えます。
「誰の部屋」とか「何の部屋」って特に固定的に決める必要はないと思っていて、家中をその時々に丁度いいように使い回していきたいです。
今は長男の部屋(予定)にベッドが一つだけ置いてあるんですけれど、誰が使っても良くて。その日寝たい人が寝に行くような感じなんです。好きな人が使うシフト制(笑)。毎日寝るところが違うのも、気分が変わっていいものです。
  • ▲平屋のような2階建て
    一見すると平屋にも見える1.5階建ての外観。
 

傍にいられる自然な距離感

この家は、子供がどこに居ても見渡せて声が聞こえる家というのがコンセプトでした。1階に居ようが2階に居ようが、何かしながらでも自然と家族に気配りができる間取りを希望しました。
1階は和室からLDKまですべて一連なり。光も風もよく通る吹き抜けで、階の上下が繫がっています。
野球をがんばっている長男は、帰宅するのが夜の8時頃。リビングとキッチンが繋がっていて、キッチンではシンクとテーブルが並んでいるので、遅い時間の一人の食事でも、両親はキッチンで炊事をしたり、リビングでくつろぎながら、すぐ近くで見ていられます。わざわざ様子を見に部屋を移ったりせずとも傍にいられる距離感がいい。
アイランドキッチンは、何人で立っても広々しています。下の女の子が「やるやる!私も!」と包丁を握って、猫の手からチャレンジしたり。みんなでお菓子を作るときは、テーブルの上を広く使ってクッキーの型抜きとかもできる。ワイワイたのしいです。 ダイニングテーブルのすぐ近くにある鏡裏収納棚つきの洗面スペースは便利!子育て中って、親も子も手を洗う場面が多いです。気楽にサッと使えます。
  • ▲オリジナルの木製キッチン
    みんなで楽しく家事に参加できる造りを心がけた。家族が思い思いの調理やお手伝いできる。
 

家相と生活実感

ウチはかなり家相にこだわりました。この辺りでは、昔から地域に寄り添ってきた家相の先生方がいらっしゃって。伝統が積み上げた統計的な智恵というのがあるのなら、それを活かしたいと思いました。
でも最良の家相……効率的な動線や生活実感とは、両立しない部分もあるかもしれません。トイレの位置は違っても良かったと思います。諸条件を家相的に整えていくと、他の選択肢はなかったんですが。
中村先生と家相の専門の先生の間を行き来しながら打ち合わせを重ねました。家相的に「これやったらアカン」「こうしなさい」というアドバイスを元に、間取りを調整……図面上での満足度は高かったけど、住んでみると、人が集まるリビングからはもう少し奥まった所へトイレを設けたら良かったかも。主に音です。家族だけなら使い勝手はいいけれど、来客時には、水を流す音がちょっと気になるかなって。
運気も大事だから、バランスが難しいですね。
  • ▲2階 カウンタースペース
    廊下の一部へ一枚天板のカウンターを造り付けた。座った時の正面には吹き抜けがあり、視界が広い。
  • ▲トイレは中央に見える壁の裏
    階段から降りてすぐ、2階からの利用には便利な位置にある。
 

大きなコンセプトから細部へ

家づくりの当時は子供がすごく小さくて、夫婦共に仕事に出てるし……もう忙しくて忙しくて、実はあんまり記憶がありません(笑)。
動き始めたけどコンセプトと家相以外のこだわりは、ほぼなかった。木の家を建てるとも決めてなかった。『かずまくんち』の住まい手さんがゲスト講師の茶話会へ伺ったのが、中村設計さんとの出会いでした。みんなでお茶を飲みながら「こういう暮らしで。こんな家で」と、聞かせていただいて。会場が木の家工房Mo-ku(モーク)だったんです。で、まず匂いが。入った瞬間、ブワッてくる匂いがすごい好きで!ああ。こういう家と暮らし方、いいなぁって。
展示場やメーカーも一通り巡り、結果的に肌感覚で一番しっくりきた中村先生と建てることにしました。
プランに取りかかった当初はおまかせ状態でした。中村先生に「こんな感じでどう?」ってファーストプランをいただいてから、家相の先生を交え「これはこっち」「あれはこうしたい」と、話が膨らんで。ちょっとづつ具体的なところへ目が向いていった。だから2案目は、前の案からガラッと変わりました。
僕らは2案目がとても気に入って、そこからは2案を基盤に思いを詰め込んでいった。生活のいろんなことが全部済むような、拠点となるリビングが理想的だな……っていう像が浮かんできたんです。いざ細部にこだわりはじめたら、ミリ単位で要望を実現してもらえたので、その自由さはうれしかった。
 
  • ▲明るい陽射しが差し込む吹き抜けから、デッキへ。
  •  
 

シンボルの丸太大黒

大黒柱は、LDKを一繋がりの大空間として作っていただくにあたり、どうしても真ん中に柱が一本必要だということで。見える位置にあるなら、我が家のメインとしてドーンと存在感のある柱がいいなって。味わい深い、我が家のシンボルになりました。
  • ▲高い位置にある窓から、夏場は爽やかな風が抜ける。
  • ▽用途の異なる多様なスペースが「家」という一つのまとまりの中に心地よく統合されたお住まい。区切らないからこその、使い回しや過ごし方の自在さが印象的です。(中村祐子)

建物データ

所在 和歌山県御坊市 敷地面積 360㎡(109坪)
竣工 2016年 夏 建築面積 91㎡(27坪)
構造・規模 木造2階建 / 民家型構法 延床面積 117㎡(35坪)
主要用途 専用住宅 床面積 1F:73㎡(22坪)
2F:44㎡(13坪)
無料資料請求・各種ご相談はこちら