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樋は本当に必要か?

あまりに当たり前に付いているので、普段はとんと気にならない雨樋(軒樋)。どんな雨もこれを付けていれば安心・・・と思ってはいけません。雨樋は、屋根に降る雨水を受け止めて、それを近くの側溝や溝に流すための装置です。しかし、小さな雨では上手く受け止められずに内側に雨だれが落ちることがありますし、最近の大雨では雨水の勢いに押されて軒樋を越えてしまい外側に飛び出ることもあります。
頃合いの雨ならば真価を発揮し、しっかりと雨水を処理しますので、家が建て込んでいる地域などではお隣に対する配慮としてとても役立つ装置だとも言えるでしょう。また、建物の外壁の劣化を抑えるのにも役だつでしょう。しかし、広い敷地に建つ家などには本当に必要なものなのだろうか?という疑問も湧きます。
そもそも建物がなければ地面に落ちているはずの水を、何故シャカリキに集めて処理しなければならないのでしょう。日本の土地は急な斜面が多く、雨水が早く海に流れすぎて適切な利用が出来ていない、と言う学者がいます。また、樋は付けるけれども雨水は側溝に流さず地面に浸透させることをオススメする、という自治体もあります。さらには、建物の意匠が崩れるので雨樋は付けない、と言う建築家先生もいます。
たかが雨水、されど雨水・・・色々な捉え方があるものですね。