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【古民家改修 / 那智勝浦】床下

建物に基礎はない。柱は直接基礎石の上に立てられる「掘っ建て」と呼ばれる形式。だから、柱の向こうには外の景色が見える。束に防腐措置が施され、束石が人工物であるのでこれまでにも改修はされてきたのであろうと思う。耐震構造の現在の建物を見慣れた目には異様に見えるが、これが古民家の構造形式。現在の免震構造に近い。どちらが良いのかは価値観によって違うが、建築基準法上、現在の建物には採用できない構造形式。日本古来の建物をよく検証もしないで、外来の耐震構造のみを正義とする日本はおかしな国である。
(伸吾)