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彼岸花。

ここ二・三日は、夏がもう一度来たか・・・と思わせるほどに暑さがぶり返しました。汗をふきふき現場に向かう道すがら、フッと見れば彼岸花が盛りです。秋のあぜ道に彼岸花が咲くのはあたりまえのこと・・・季節をすっかり忘れてしまいそうな程に色々なことに忙殺されていたのだと改めて思い知ります。
彼岸花は遠い昔に日本に渡ってきた外来種。別名の曼珠沙華は古代インド語で赤い花の意味。仏典では、見る者の悪行を払ってくれる・・・とされているのだそうな。球根には猛毒があるものの、毒抜きをすれば食料にも薬にもなるとか。だからこんなに至る所に見られるのでしょうか。
ちょうど彼岸の頃に咲くから彼岸花。この世とあの世をつなぐ花。別名葬式花、死人花、地獄花・・・あまり嬉しくないような異名も付いているようですが、私は見る者の悪行を払ってくれる・・・に注目したい。世間の垢にまみれたこの身が、見るだけで清められるならこんな嬉しいことはない・・・この際いっぱい見とこう・・・しかし、こんな軽薄なところはどうも改心させてくれる訳ではないようだ。