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樋の話。
軒先には軒樋があるのが普通・・・でも、屋根の線をきれいに見せたい時には樋が邪魔になる時もあります。洋風の角軒樋では見えないところで水勾配が取れていて、外から見ると建物に水平にスッキリと付いているように見える品物もありますが、日本屋などに付ける品物では軒樋の水勾配が、そのまま軒先の傾きのように見えてしまうので気になることもあります。
そこで、敷地の水はけに問題がなく軒の出が充分に取れる住まいでは、軒樋を付けない・・・という選択をすることもあります。樋がないと雨だれで地面が掘れてしまいますから、何らかの工夫が必要です。簡単なのは一面に砂利や芝生などを敷き込むことです。こうしておくと、水はねもなく建物が雨だれで汚れることもありません。
丁寧にする時には、樋の代わりに地面に雨受けの側溝を用意しておきます。
側溝そのままではどうにも見た目が良くないので、10センチほど深く施工しておいてその上に石を並べて化粧します。そうして出来たのが写真の溝です。
状況と工夫次第で随分とスッキリした意匠に収まる事もあります・・・ご参考に。