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府中の家 床を張る。

府中の家の床材は赤松と唐松です。
スーパーローカルを自認する私は、出来れば全て紀州材で家を建てたい。でも床材だけは他所の産地のものを使っています。そもそも紀州の山は杉と桧の山で、建材として使える松はとうの昔にほぼ絶滅しました。地元にはたくさんの製材さんが居るのですから、依頼を出せば杉・桧の材でいつでも床板は造ってくれます。しかし、全てが特注品扱いで、品物の品質が今ひとつ安定しません。中には乾燥の良く出来ていないものがあったり、寸法にばらつきがあったり・・・床材は直接人の足裏に接します。人は敏感で、その少しの品質のばらつきを感じ取ってしまうのです。だから使えない。今、床材として使っているのは信州産の赤松と唐松、いずれも既製品として出荷されている品物です。赤松は節無しの柾目の板で、唐松は節有りの板目の板。それぞれ得たい雰囲気や用途によって使い分けています。
写真は居間部分の床を張っているところ、使用しているのは赤松の板です。針葉樹に拘るのは、広葉樹(ブナ・ナラ・サクラなど)に比べると圧倒的に足裏にやさしくて暖かいから。信州赤松は山陽の方で取れるもの比べると色白なのが特徴ですが、脂も多いので、年月を経ると赤味に変色していきます。木の家は出来たばかりの時よりも、年々味わいが増していくのが良いところです。