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木の家とJパネル。

木造建築物の確認申請では、一般住宅程度の大きさのものは、壁の強さのみが審査対象になり、床や屋根の強さは審査対象になっていません。しかし、長期優良住宅などの、建物に高耐久や更なる強靭性を求める申請では床や屋根の強さを含めた建物全体の性能が問われます。つまり、高耐久で強靭な建物を造るには床や屋根をしっかりと造らなければならない・・・ということです。
なぜ床・屋根をしっかりとすることが重要かというと、ある部分の壁に加わった力(地震などの外力)をほかの壁にも伝え、建物全体で分散して力に対応することができるようになるからです。床・屋根がしっかりしていないと、ある部分に加わった力はその部分の壁だけで対応せざるを得ません。結果、その部分が許容を超えて破壊される・・・というような事にもなりかねません。床・屋根の強さは想像以上に重要です。
そこで、私は2階の床にはJパネルという杉の3層パネルを採用しています。12ミリの杉のハギ板(横につないだ板)を木の繊維方向を交差させて3層に重ねたパネルで36ミリの厚みがあります。構造用合板を使用しないのは、糊(ノリ)の層が2層と少ないので化学物質の発散が無視できるほどであること、各層の厚みが12ミリと厚く充分に調湿・断熱の役目を果たせることなどが理由です。ちなみに、構造用合板の28ミリでは糊の層が7~8層、各板の厚みは3ミリ前後です。