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木の家工房Mo-kuWEB内覧会

木の家工房Mo-ku WEB内覧会 2階DK・タタミ間

木の家工房Mo-ku WEB内覧会 2階DK・タタミ間
木の家工房Mo-kuの最後のご紹介は、土間ギャラリーの上階に位置する2階のダイニング・キッチンとタタミ間、そしてそれらに付随する水廻りです。特に眺望などを期待する場合のLDKなどをのぞき、ダイニング・キッチンが最上階に位置することは珍しいのですが、木の家工房Mo-kuの建物そのものの性質がギャラリーなので、通常の住宅には少ない変則的な配置となっています。

・2階ダイニング・キッチン
2階ダイニング・キッチンは8帖ほどの広さの空間に、造り付けのキッチンセットと4人掛けのテーブル席を用意することで造られた部屋です。床は無垢の唐松のエンコウ板張り、真壁構造の壁は珪藻土塗り、天井は屋根形状を生かした勾配天井とし杉厚板パネル(Jパネル)のあらわしで仕上げています。
 
  • ▲階段方向から2階DKを見る
壁付のキッチンは対面式のものに比べ床面積を効率的に使えるので、あまり広くない木の家工房Mo-kuで採用するには適したキッチンです。収納の棚類は、流し台前の使い勝手中心で見せる棚(写真中央)と、収納能力中心で隠す棚(写真左側)に分けています。電子レンジは一番使いやすいアイレベルの所に設けて使い勝手を優先すると共に、下部の調理スペースを稼ぐ工夫ともしています。
流し前の壁には200角のタイルを貼りました。手造りの雰囲気が出るように、手もみの跡が残ったようなタイルを貼っています。色は清潔感重視で白です。

・キッチンセットは木製の製作キッチン
一直線に配置されていることが多いキッチンセット。しかし、流しは天板から20センチほど低いシンクに向かって下向きで作業をしますから天板は少し高いぐらいが使いやすく、逆にコンロは天板面の高さにあって、その位置にある熱源にフライパンや鍋釜を置いて使いますから天板が少し低いめの方が使いやすいものです。つまり、流しは少し高く、コンロは少し低く・・・これがキッチンセットの理想的な高さだと言えるでしょう。そこで、木の家工房Mo-kuのキッチンでは流し部分とコンロ部分の使い勝手に応じてキッチンセットを向かい合わせに二つに分けて製作し、コンロがある側の天板は流しのある側の天板に比べて5センチほど低く製作しています。
 
  • ▲2階DK入り口方向よりキッチンセットを見る
洗い場の方には充分な調理スペースが確保出来ましたが、コンロのある方の天板にはあまり横に長いスペースを割り当てられませんでしたので、奥行きを与えました。スペースは横でも縦でも使い勝手によって造り分け出来るのも製作キッチンの長所です。 テーブルはコンロが入っているキッチンセットの並びにくっつけておいています。出来たての料理をそのままスライドしてテーブルに並べ、食べ終わると後のシンクに振り向きざまに入れることが出来る・・・台所で働く人の動線が一番短くてすむのもこのタイプのキッチンセットとテーブル配置の利点です。 床材は唐松の縁甲板 中2階ギャラリーや1階土間ギャラリーに付随する床に採用しているのは岡山産の赤松板ですが、2階の床には唐松の板を採用しました。こちらも無垢のエンコウ板で、産地は信州です。同じ針葉樹なので、足裏にやさしく暖かいなどの共通の性質を持っています。ただし、この唐松板は板目で節もあり、年輪も中2階で採用した赤松よりは少し荒い目です。木材の価格は、樹種による差よりも年輪の細かさ節の有る無しなどの要素が大きいので、当然こちらの方が格安です。    
    • ▲2階DK入り口より床を見る
    年月を重ねると、一般に桧板は黄色味を帯び、杉板は黒みを帯び、松の板は赤味を帯びるものですが、竣工して12年を過ごした木の家工房Mo-kuの唐松板は時間の経過通りの変化を素直に示しているように感じます。 新建材の合板を使用した床用フローリングとは違い、無垢のエンコウ板は湿度や気温の変化によって多少の伸び縮みをします。冬場、乾燥の時期には思いがけず大きく開いている目地も、夏場の湿気の多いときにはすっかり詰まっているものです。特に、床の場合は直接足裏に触れますからそのへんは敏感に感じてしまいます。木は生き物ですから、木の性質を良く心得た職人に仕事を委ねることも大切です。
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  • ・少しの空間も無駄にしないでロフトを造る
    2階DKの天井は屋根形状を生かした勾配天井です。もちろん、中2階のギャラリーと同じ様にしっかりとした断熱層と、冷却・調湿などとして機能する通気層を備えていますので、夏場にも部屋が暑くなることはありません。なんの手当もしないで普通に真っ直ぐな天井を造ると、天井上の空間はただただ無駄な空間となります。無駄なものはなるべく造りたくないので、各部屋の必要天井高さを詳細に検討し、屋根形状を利用した勾配天井として、使える屋根裏空間をロフトとして利用しています。
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    • ▲2階DKよりロフトを見上げる
  • ここには、木の家工房Mo-kuのパンフレットなどの備品類と、自宅に入りきらなかったマンガなどが置いてあります。ロフトなので、法規制により最高の高さが1.4メートルまで、下の階の1/2以下の床面積、固定階段を付けない・・・などの制限はありますが、想像するよりはるかに多くのものが収納出来ます。手すり壁は本棚としましたので、柱幅相当の12センチの奥行きの本棚は文庫本や漫画本などがちょうど納まります。
  • 木の家工房Mo-ku以外でもロフトを付けることは良くありますが、ロフト空間は良い書斎になる、趣味の部屋になる、子どもたちに邪魔されずに本が読める・・・と皆さん重宝して使ってくれているようです。
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  • ・2階タタミ間
    ダイニング・キッチンの隣にはタタミ間を用意しました。二つの部屋を区切るのは大きな引き込み戸です。日頃はこの引き込み戸を全部解放して部屋をつなげ、続きの空間として使います。引き込み戸は必要な時だけ間仕切りの役目を果たすわけです。
  • タタミは縁無しとしました。普通のい草ダタミを縁無しタタミとして使ってしまうと、下に折り込んだ角の部分からほつれてきますので工夫が必要です。木の家工房Mo-kuでは和紙をこよりのように細く丸めて編み込んだ和紙の畳表を使っています。い草の表より圧倒的に強く、色のバリエーションも豊かにあるので使用範囲が拡がる材料です。ただし、熱伝導はい草より高いので、冬場などはすこし冷たく感じることがあるかもしれません。
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    ▲DK方向からタタミ間を見る
     
    壁はラスボードという左官の塗り壁の専用下地の上に珪藻土を塗って仕上げています。下地材に左官の塗り壁専用ボードを使うのは、蓄熱・調湿に役立つ土の層を厚く確保するためです。この専用ボードを使うと、通常プラスターボード下地では4ミリほどの塗り厚となる珪藻土の層を、15ミリ相当として機能させることが出来ます。珪藻土の効果は使用量(厚み)によることが多いので、使用するときには厚く塗る工夫が必要です。
  • 西壁は、夏場に西日が当たって暑くなることがありますので、西の外壁面に接するところには押し入れや収納などを設けて、居室に対する熱の影響を和らげる空間とするのも効果的です。木の家工房Mo-kuのタタミ間の西側の壁には押入が並び夏場の熱気を防いでいます。また、吊り押し入れ下の掃き出しの小窓は、夕刻などの心地よい風を取り込む役目を果たします。

    ・水廻りは集約型
    限られた面積の中で、ギャラリーという実務を果たすための空間と、住宅のモデルハウスという性質を兼務するこの建物では、水廻りにしわ寄せが来ています。お風呂や洗面・トイレなどは少しでも広くとり、それを住まいの余裕として造り込みたいところですが、現実的にはタタミ3帖ほどの広さの部屋に、トイレ・洗面・サニタリーが同居する集約型の効率的な造りとなっています。
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    • ▲2階サニタリー
    床は信州産の唐松のエンコウ板、壁はエコカラット貼りです。エコカラットは調湿性と脱臭性にすぐれ、水廻りにはとても適した仕上げ材です。トイレと洗面の間の壁は敢えて通常の壁とはせず、杉の厚板を建て込んで簡易の隔て壁としました。左奥にはシステムバスが据わります。洗面台を透明感のある簡易なものにしたのも狭い空間を広く使う工夫です。
    鏡の裏には奥行き12センチほどの収納が仕込まれていて、洗面・化粧台として使うために必要な道具などは全てそこに収納されています。
さて、年度を渡って4回に分かれた木の家工房Mo-kuのWEB内覧会のシリーズも今回で全てのご紹介を終えました。この記事をご覧になって少しでもご興味をも持たれた方は是非足を運んで下さい。実感を伴ったもの選びには自らの体験が役に立ちます。人生を左右する大きな選択の前に、百聞は一見にしかず・・・まずは本物をご覧下さい。見ていただければ、画面上では見つけられなかった新しい発見もあることでしょう。竣工から12年を超えた建物は未だに木の香りを放ちながら皆様をお待ちしています。