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木の触り心地は人にどんな影響を与えるか?
建築の話題

木の触り心地は人にどんな影響を与えるか?

木は顕微鏡レベルでみると、中空のパイプ状の組織が並列に配列したハニカム構造を持っていて、このことが木材特有の接触感(触りごこち)を生み出しているようです。
木への接触は生理的ストレスを生じさせにくい、という報告があります。血圧はストレスがかかると上昇することが知られています。木やほかの材料への接触が血圧に及ぼす影響について調べた研究では、木はほかの材料に比べたところ、生理的なストレス状態を生じさせにくい・・・とする研究結果が得られています。
アルミニウム、アクリルなどの人工物へ人が接触したとき、材料が室温の時にも血圧は上昇し、材料温度が高温、あるいは低温の時、血圧上昇はさらに大きくなりますが、木への接触においては室温での血圧上昇は小さく、低温でも血圧上昇をもたらしませんでした。
木の性質は人が直接触れるような用途、例えば床板や手すり、鍋の柄などに適していると言えます。
木は人に優しい、とっても不思議な特性を持った建築材料であると言えるでしょう。
一足お先に新しい。
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一足お先に新しい。

営業日の最後に新しいパソコンがやって来ました。古い機械もネットや書類作成などには不自由なく使えると思うのですが、図面を書くソフトと動画などの作成に使う機械は、やはりそれなりの性能が必要なのだそうです。
そにしてもパソコンの性能も向上したものだ。私がはじめた頃にはOSの基本クロックは8ビットで、そいつに12~13センチほどのペラペラのフロッピーを差し込んで使っていました。記憶容量が足りないので、外付けで20メガのハードを付けて使っていましたが、当時はそのハードディスクが1メガ1万円ほどもしました。基本クロックが64ビット、CPUがi7-10700、ビデオカードにRTX3060を積んで、メモリーが32G、記憶装置容量が4Tもあるなんてひと昔前には考えられない夢のような性能です。
驚くのは、これぐらいは別に特別ではなくて、どこでも誰でも普通に買って普通に使っているということです。すごい時代になったものだ。
土間のベンチでくつろぐ家 竣工しました。
建築の話題

土間のベンチでくつろぐ家 竣工しました。

三重県名張の地に昨年の7月に着工した土間のベンチでくつろぐ家がこの度竣工しました。既存家屋の解体撤去、擁壁の新設などの工事も同時に行いましたので、1年を超える工期となってしまいましたが、年末に間に合って無事の竣工です。
このお家は、1階に土間付のLDK、寝室、タタミ間、水廻り・・・と、1階だけでご夫婦の日常生活が営めるようになっており、2階にはゲストルームがあるだけです。LDKと一体になった大きな玄関土間にはベンチとテーブルを用意して、住まい手自らが陽光を浴びながらくつろぐと共に、訪れるお客さんとも楽しく話し込めるような空間となっています。
田辺の事務所から遠く三重県名張の地に赴き、当初は色々な不安がなかった訳ではありませんが、根気よく付き合ってくれた住まい手と、懸命に取り組んでくれた大工職に支えられ、無事に竣工を迎えることが出来ました。
関わって下さった全ての方々に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
カタログ類がこんなに。
建築の話題

カタログ類がこんなに。

年末が近づいてくると、大掃除のことが気になってきます。フッと席の後ろを振り返ってみると本の山。写真で事務所にあるもののザッと5分の1程度でしょうか。又これを整理するのか・・・と思うと気が重くもなろうというものです。
設計という仕事柄、いつも情報は最新でなければなりません。クライアントとの打合せで、新しいこんな設備を導入したい・・・などと言われて、慌てて調べる・・・なんてことがないように。そう思って、機会あるごとに新しいカタログを用意すると、知らぬ間にカタログ類が増えていきます。
重複してあるものは、当然一つを残して処分。必要があって取り寄せたものでも、その後2年以上使っていなければ一応処分。年次が旧くなったものは処分・・・そうして減らしていっても、いつの間にか本の山。
さて、今年はどんな思い切った処分をしましょう。なんとか減らさないと、事務所の空間は増えませんので。
古民家の改修 / 和歌山市楠本、竣工しました。
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古民家の改修 / 和歌山市楠本、竣工しました。

和歌山市楠本の地において、古民家の改修現場が竣工しました。昨年の10月から計画・設計がはじまり、工事ともで1年と少しの取り組みとなりました。
天井を高くし梁を見せて、木のぬくもりが感じられる居間空間があること。南に大きな掃き出し窓を有し、庭風景などが見える開放的な居間とすること。二世帯・三世代で住まえること・・・などがこの住まいのコンセプトです。
調査の結果、床下には湿気もなく、木も過ごした年月から想像するよりもズッと良い状態で残っていました。もちろん天井裏の丸太梁の類もしっかりと残っています。そうであれば、これらを生かして梁を見せて、高い天井を実現するのは難しい事ではありません。南には木製の幅2間の大開口。完全に引き込んでしまえるので、開放感は抜群です。タタミ間廻りは襖もランマも天井板もそのまま残しました。新しいものと、歴史を経たものが上手くバランスして、とっても味わい深い空間になったと思っています。
住まいながらの改修であったため、ご両親様には大変なご苦労をお掛けしました。また、若夫婦にはとっても辛抱強くお付き合いいただけました。出来上がったお住まいが、ご家族を守りながら、癒やしの時間を皆さんに与えることを願いながら竣工をお祝いしたいと思います。関係いただいた全ての方々にご感謝申し上げます。ありがとうございました。
 
木材で造る内装は人をなごませるか?
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木材で造る内装は人をなごませるか?

最近では、内装面に占める木材比率(木材率)が自律神経系の整理応答や快適感などに影響を及ぼすことが明らかになりつつあります。広さや調度品を同じにして、木材率の違う部屋において血圧・心拍などを測定した実験では、木材率45%の部屋では心拍数が有意に増加し、木材率が90%の部屋では血圧が有意に低下しました。しかし、木材率が0%の部屋では生理応答に変化は見られませんでした。又、天井や壁を一面に白く仕上げた部屋と比べて、柱や梁を見えるように使った部屋では木材の視覚刺激で心拍数が増加することも確認されています。そのことから、内装に木材を加えると人に覚醒効果があることも確認できました。
別の木材率と心理的効果の調査では、木材率の増加と共に「あたたかい」あるいは「自然な」という印象が上昇することが確認されています。表は、木材率の違う室内写真を見せてその印象をアンケートしたものです。その結果、木材率の増加が「自然な」というイメージの増加につながっていることが分かります。
人は木質内装の「自然な」という視覚的イメージから「あたたかい」や「友好的」や「明るい」「静か」「快適」などの好ましい印象を受け取っているのだと思われています。
各社各様。
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各社各様。

ちょくちょく、住まい手さんのお伴でキッチンやシスバス・便器などの住設機器選びにお付き合いします。今回伺ったのはTOTO。言わずとしれた水廻りの器具のメジャーメーカーです。もちろんシステムキッチンもシステムバスも置いています。
TOTOのキッチンの特徴は造りがモダンでスッキリとしていること。特に天板は、まるでガラスのような透明感。ディーテイルも垢抜けていてどちらかというと華奢で繊細なイメージの品物です。あるメーカーでは高品質のステンレスで中まで出来ているのが売り。又あるメーカーでは耐久性に優れたホーローで、これも中まで出来ているのが売り。はたまたあるメーカーでは、飛び抜けたデザイン性が売り・・・とメーカーによって品物も特徴的ですから、住まい手は欲しいイメージさえ決まっていればたいがいの願いは叶えられそうです。
それにしてもいつも驚くのは表示している価格。エ~こんなにするの・・・しばし見入るほど立派なお値段が表示されています。もっとも、これはTOTOに限ったことではなくて、どこのメーカーのショールームに伺っても同じ事。最近では、建築の本体工事にかかる費用より、設備工事にかかる費用がドンドンとその比率を増しています。
お懐かしい。
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お懐かしい。

新築してから20年近くなるので、防水や塗装のメンテをしたい・・・と言うお話しを頂いて現場の方に伺いました。対面を果たしたのは切妻大屋根の中に2階分の空間を詰め込んだ、とってもお懐かしい城山台の家。
庭の緑も18年の間に見事に育って、しっかりと家と一体化。この家にしかない存在感を際立たせています。とりわけ大きいのはウバメガシ。住まい手は、紀州に育った者としてこの木の下で死ぬつもりだ・・・などと並々ならぬ決意です。庭には金魚の水槽もいくつか・・・そういえば、新築当時にも梅樽の中にたくさんの小さな金魚が泳いでいたような覚えがあります。もしかしてこの子たち、あの金魚の子孫なのかも。
全体を観察してみると、木部はどこもしっかりとしています。一部、雨風の良く当たる面のコーキングに補修後・・・都度に手を加えながら、大事に住まいしていただいた様子が手に取るように分かります。
今回はサイディング面・木部の再塗装と防水面の補修が中心です。この時点で一度補修をしていただくと、又20年ほどは安心して暮らせます。
講師先生。
建築の話題

講師先生。

先日、県立の農林大学校の講師先生をしてきました。
林業従事者を目指して学んでいる生徒さんたちに「木材利用の概要・木造建築の基本」(地域性を生かした木造建築へのアプローチ)という題目で約6時間の講義です。
このところ人前に立つ機会も少なく、心の準備も資料づくりも大変で、本当は少しおっくうなところもあったのでが、話そのものは自分自身の日々の仕事の源流になる話なので、いざ話し始めるとドンドンと前に進めて行けます。気が付くと座学も終わり、近くの建築中の現場で実地研修・・・現場に入ればさらに調子が出て来て、しゃべり通しの一日でした。
毎年、年に1度の農林大学校の講師ですが、年々によって生徒さんの雰囲気が違います。今年は皆さんとっても積極的で質問も多数・・・将来が楽しみな生徒さんと思い切り木の家の話が出来た楽しい一日でした。
木の香りで免疫力はアップするか?
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木の香りで免疫力はアップするか?

免疫細胞のひとつとしてナチュラルキラー細胞(NK細胞)と呼ばれる細胞があります。東京都内で働く30~60歳代の男性を対象とした研究で、桧の香りの成分である精油が、このNK細胞の活性を上昇させた可能性があるとの報告があります。
桧材精油を揮発させた室内に3日間宿泊滞在した前後のNK細胞の活性の変化を調べたところ、滞在前に比較して滞在後に有意に上昇していました(左図)。また、滞在の前後で、ストレス指標である尿中ノルアドレナリンは有意に低下していました(右図)。ストレスが軽減し、そのことがNK細胞の活性の上昇につながったのではないかと考えられています。
これからは、風邪の予防などに木材の香りが活かせるようになるかもしれませんね。