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暖吉くんに火が入る。
建築の話題

暖吉くんに火が入る。

このところは穏やかで、暑くもなく寒くもなく、一年中で一番過ごしやすい時期・・・なのに、私の所の事務所(自宅にも)には早くも暖房が入りました。稼働をはじめたのは深夜電力型の蓄熱暖房機「暖吉くん」。室内の空気を汚さず、スイッチひとつの手間いらずなので、一同とっても気に入っている暖房器具です。
クライアントの皆さんの様子をみていると、暖房で一番人気は薪ストーブ。しかし、これは趣味も伴ってのことなので、純粋の暖房器具としてみた時には疑問も残ります。次が床暖房。室内のどこにも存在が分からないのに暖かい・・・ということで好評ですが、メンテの時期が来たら困ることがあるかも?そしてその次が深夜電力型の蓄熱暖房機です。少し大柄ですが、手間いらずで早朝から暖かいのが良いところ、問題は電気代が高くなってきたこと。
我が事務所の暖吉くんは、出力7KWのシリーズで最大の出力を持つもの。これ1台で27帖大の事務所を暖めます。よほど寒い時にはエアコンの暖房も足しますが、おおかたはこれで用が足せます。じんわり・・・とした暖かみは自然で、スタッフにも評判が良いです。
しかし、それにしてももうこの時期に暖房稼働・・・なんて、少し早くないかい?
海南 紀州漆器まつり Ⅲ。
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海南 紀州漆器まつり Ⅲ。

紀州漆器まつりで面白いのは、漆器の数々を見て回ることに限られません。この日には、普段あまり入れない、または入らないような、路地のさらに奥の小道やお店にわりと気軽に入れることです。
写真の小道はクルマが通れません。ですから、特に目当てがあって歩いてくる人以外はまずは入らない場所。ところが、ここにはまたとない日本建築・日本人の暮らしぶりを感じさせる懐かしい街並みが残っているのです。
新しいものももちろん良いですが、私はこんな雰囲気の、古い街並みが大好きです。低く深い軒が出て、行き交う人は肩が擦れ合うほどの距離・・・何もかもがヒューマンなスケールで、造りの一つ一つに人の息づかいが感じられるのです。早いもの、安いもの、簡単に手に入るものばかりが重宝される時代に、こんな街並みが残っているのは、残している方々の見識の高さゆえでしょう。
街の善し悪しは、そこに住む人々の志の高さで決まる・・・これは随分と昔に、街づくりの基本として教わったこと。黒江の漆器町の、人とともにある、人を和ませる空間には、この街に生きてきた方々の思いが残っています。
休みに南方熊楠記念館。
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休みに南方熊楠記念館。

久し振りの休みに、南方熊楠記念館を訪ねました。白浜の円月島の近くの番所山の頂上にある、真っ白で、丸くて、くねくねとした建物は、無機質なコンクリートで造りながらも、生き物のダイナミズムを表現したかったのかな・・・粘菌の研究が有名な熊楠にちなんだイメージなのかな・・・などと思いながら、狭くて施工の難しそうな山のてっぺんに、これだけのものを造ってしまうさすがの設計力を眺めてきました。
当日は、あろうことか休館日。外観をまじまじと眺めて鑑賞して、後は番所山そのものを楽しみました。照葉樹が生い茂る白浜の番所山。子供の頃には、この山の植生に近い海沿いの照葉樹林の中で遊んだものですが、最近では杉・桧の人工林の山ばかり見てきたので、なんだか一種独特の南洋のような雰囲気は懐かしくもあり、異様でもあり・・・といった感じです。
近くに住んでいても、足を運べていない良いところは幾つもありそうです。運動不足解消のためにも、今後も近場をあちこち探してみたいものです。
新しい材料 石。
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新しい材料 石。

木は、わりと同じものを習慣的に使ったりしますが、石は元々そんなに使う頻度も高くないせいか、都度都度の調達になります。そんな中でも、外部の階段の上がり框や敷居・束などには、硬くて使いべりがしない花崗岩(御影石)の類を使うことが多いです。仕上げは使う場所によってコブ出し、コダタキ、磨き・・・と必要に応じて変えていますが、色は木の色と合いやすい金錆色(黄色っぽい色)を選ぶことが多いです。
今回探したのは、府中の家のステンレス製のキッチンセットの廻りに使うための石。壁に貼るので硬さはそんなに必要ありません。油が飛んだりしますから拭き取りの容易な仕上げ・・・などと考えていて、いくつかの品物に目星を付け、見本品を取りました。決めたのは黄色っぽい大理石で磨き仕上げの品物です。ステンレスで無機質っぽい空間になりそうなので、少し黄色の差し色を入れて楽しそうな雰囲気にしたいと思います。
私も今回、色や風合いの違ういくつかの見本を取り寄せましたが、タイルや石は必ず見本品で確認することをお勧めします。カタログで選んでいると、私たち設計者でも思いがけない品物を選んでしまうことがあるからです。見本が手元に届いたら、あまり悩まずに直感に従う・・・これがもの選びのコツです。
新しい材料 木。
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新しい材料 木。

得たい雰囲気や性能などによって、使う材料や工法を探す・・・というのは設計者には良くあることです。そうやって探したものを使ってみて、段々と自分の好みや状況に応じた材料・工法などが定着していきます。
今回探したのは床材。これまで信州唐松の節有り板を使っていた部屋と少し雰囲気の違う部屋で使う床板です。そんな時には山陽の方の赤松(源平・柾目・節なし)の床板を使っていたのですが、その板の在庫が尽きたのです。天然の床板には限りがあります。その場・その時に採れたものでないと、次に同じ様な物を・・・と言ってもなかなかありません。
あちこち手を尽くして、たくさんの見本品を取り寄せて、山陽赤松の代わりに探し出したのが写真の信州赤松です。あずみの松と呼ばれている赤松で、その中から小節(小指の先ほどの節を許容する)の材料を選んで、柾目に挽いた品物です。生産者が特に厳選したコームグレインという商品名の品物です。
山陽の松に比べると、目が少し粗くて全体に色が白い。白いのがあずみの松の特徴らしいです。まずは自社物件(府中の家)で使ってみます。仕上がりにご期待下さい。
コウモリ対策 その後。
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コウモリ対策 その後。

2週間ほど前にしたコウモリ対策のその後の経過をお話しします。
自前の忌避剤を吹き付けた所の下にはほとんど糞が残っていません。身近で一番ひどかったのはベランダですが、そこに糞は・・・あるにはありましたが、2週間でこれぐらいならまあ効き目はあったんじゃないの・・・と思えるぐらいのポツンポツン。このくらいなら、住み着いている、というよりは立ち寄った、というくらいの程度。苦労は報われています。
忌避剤を吹き付けた上に、隙間に網を押し込んで完全対策できた所の下には全く糞がなく、ここは全くの私の勝ちです。
あとは・・・写真の屋根と壁の取り合いのところ。ほんの小さな隙間なんです。けどきっとあそこには居ます。でも・・・怖い! あんな高い所に届くハシゴは持っていませんし、よしんば持っていたとしても、そんな高い所で充分な活動をする自信が全くありません。
コウモリは11月に入るとそろそろ冬眠の季節なのだそうです。寒い間は、忌避剤を吹き付けようが何をしようが、眠っているので効き目はない・・・とネットでは書いていました。かくして、私とコウモリの戦いは彼らが眠りから覚める来春に持ち越されるわけです。さて、来年までに何か必殺の方法を考えなくてはなりません。また戦いが始まりましたらご報告します。
職人は減る、機械は進歩する。
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職人は減る、機械は進歩する。

街中から職人はいなくなるばかりです。後継者もなく、素晴らしい技術を持ったままに引退する方がほとんど。大変な思いをしながら習得した技術をなんとか若い者に伝えて欲しいと願うばかりです。反対に機械に出来ることはドンドンと増えています。
私の身近なところでは、木造建築物の柱・梁組の基本加工を機械でするシステム(プレカット)などは、20年ほど前の出始めには出来ることが少なく、職人の持つ技術の大切さが際だったものですが、最近では丸太梁の加工や、斜め(勾配)加工が出来るようになり、とうとう最後の砦の梁の伝統継手までが機械で出来るようになりました。写真はプレカットで製作した追っ掛け大栓継ぎ。これからますます出来る継手の種類も増えていくのでしょう。
しかし、加工機械を作っているのも人間ですし、機械に指示を出している(オペレーター)のも人間です。機械で出来ることが増えると、オペレーターの技術がますます重要になり、ただ機械に指示を出すだけではなく、伝統技術に対する理解や習得がもっと深く要求されることでしょう。機械に出来ることが増えれば人間は要らなくなる・・・というのは早計で、やはり人間の役目はまだまだ終わらないようです。
秋の良き日に上棟式。
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秋の良き日に上棟式。

つい先日までは、暑さが記録的だとか、集中豪雨だとか・・・夏の大変な話題で持ちきりでしたが、気候はすっかり秋です。日中もそんなに暑くはなくなりましたし、夜などは窓を閉めていないと寒いくらいです。
さて、こんな秋の良き日に田辺市明洋で上棟式が行われました。木造2階建ての大きなお家です。木材はいつものように、龍神から天然乾燥材を用意して、構造材の加工はプレカット(機械加工)です。私の事務所では、手刻みの建物もプレカットの建物も図面にしますが、最近は時勢柄プレカットの現場の方が多いようです。
敷地にはこれまで基礎しかなく、基礎は鉄筋を組んでコンクリート打設が終わると3週間ほどの養生期間に入るため、建て主様には仕事の進捗がなかなか自覚出来ず我慢の日々が続きました。しかしこれからはドンドンと現場の工事が進んで行きます。現場に来ていただく度に、屋根が出来た!壁が出来た!サッシが付いた!内装が始まった!・・・と色々に変化が目に見えることでしょう。これから半年、どうか存分の家づくりを楽しんで下さい。
樋は本当に必要か?
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樋は本当に必要か?

あまりに当たり前に付いているので、普段はとんと気にならない雨樋(軒樋)。どんな雨もこれを付けていれば安心・・・と思ってはいけません。雨樋は、屋根に降る雨水を受け止めて、それを近くの側溝や溝に流すための装置です。しかし、小さな雨では上手く受け止められずに内側に雨だれが落ちることがありますし、最近の大雨では雨水の勢いに押されて軒樋を越えてしまい外側に飛び出ることもあります。
頃合いの雨ならば真価を発揮し、しっかりと雨水を処理しますので、家が建て込んでいる地域などではお隣に対する配慮としてとても役立つ装置だとも言えるでしょう。また、建物の外壁の劣化を抑えるのにも役だつでしょう。しかし、広い敷地に建つ家などには本当に必要なものなのだろうか?という疑問も湧きます。
そもそも建物がなければ地面に落ちているはずの水を、何故シャカリキに集めて処理しなければならないのでしょう。日本の土地は急な斜面が多く、雨水が早く海に流れすぎて適切な利用が出来ていない、と言う学者がいます。また、樋は付けるけれども雨水は側溝に流さず地面に浸透させることをオススメする、という自治体もあります。さらには、建物の意匠が崩れるので雨樋は付けない、と言う建築家先生もいます。
たかが雨水、されど雨水・・・色々な捉え方があるものですね。
コウモリ対策 その3。
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コウモリ対策 その3。

いつまでも忌避剤を作って吹き続ける訳にもいかないので、この際に抜本的な解決を・・・と考えていた所、またもや長男が、どこかのハウスメーカーもコウモリに困ってこんな対策をした・・・との記事を見つけてくれました。その記事によると、穴の開いた塩ビのパイプで、隙間を詰めてしまう・・・というもの。これは使えそうです。
早速、穴あきの塩ビパイプを検索してみるとそれらしいのがありました。しかし、1メートルに1,000円ほどと結構な値段がします。そこで、以前に張り替えた網戸の残りの網を利用することにしました。これを10センチほどの幅に切って、丸めて隙間に詰め込む・・・という作戦。ノリの代わりにコーキング材を利用します。全体にコーキングを打ってしまうと、壁下の給気口を塞いでしまうので、10センチおきに少しずつコーキングを打っておきます。ここに網を突っ込んで・・・これがなかなかに上手くいかない。忌避剤でコウモリが逃げている内にと思って夕方に散布したので、網を取り付ける頃には結構暗くなってしまって。明るいときに見ると不細工に見えるかもしれません。しかし、これで良い対策が出来たような気がします。
まだまだほんの一部だけしか出来ていませんが、とりあえずは手の届く所から対策に取り組めたことで結構な満足感です。皆さんにも、まさかの時には、出来る所は自分でやってしまうことをオススメします。思いがけず楽しかったりします。