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手刻み加工。
建築の話題

手刻み加工。

最近の木造建築の現場では、木(構造材)の加工はプレカット(機械加工)が主流です。主流です・・・と言うより、ほとんどがプレカットで手刻みの現場を見かけることはほぼなくなりました。構造材の加工が機械加工になってしまうのは時代の流れで仕方のないことです。しかし、それぞれの特徴がどこにあって、どんな使い分けが良いのかの検討はあってしかるべきでしょう。
この度、和深で上棟される物件は全てが職人の手刻みです。柱と梁の接合部に機械と人間の加工に大きな違いはありません。違ってくるのは梁の継手が主です。今回採用されているのは尻ばさみ継手という継手。金輪継ぎや追っ掛け大栓継ぎ・・・というのは時々耳にしますが、尻ばさみ継手というのはあまり聞きませんね。いずれも重なり部分に複雑な加工をして、梁を一体化します。ちなみに、継ぎ目のない一本の梁の強さを1としたときに、金輪継ぎや追っ掛け大栓継ぎ・尻ばさみ継などは0.7ぐらいの力を発揮します。機械加工の台持ち蟻継は0.3ぐらいしか持ちませんから、継手としては手間のかかる分優秀な継手だと言えるでしょう。
ノコギリが電動の円ノコに変わってから随分と経ちますが、今の時代に円ノコ使用に反対する人はいません。そんな風に機械加工も世に馴染んでいくでしょう。機械の得意なところはそれで良い。人間は機械が不得意だけれども人間にとって有用な部分をやれば良いのです。機械一辺倒でなく、人と機械の棲み分けがもう少し上手く出来ないか・・・と頭をひねる今日この頃です。
それぞれの楽しみ。
建築の話題

それぞれの楽しみ。

忙しいときには忙しく、ヒマなときにはあきれるぐらいにヒマで、似たような形態のものに需要が偏るときにはとことん・・・そんな経験はないでしょうか?先日来私の事務所では平屋の住宅ばかりが5件も続いていましたが、今は改装・再生の物件がたて込んでいます。現在工事中のものが1件、設計中のものが2件、計画中のものが2件といった具合です。
新築も改装も再生もそれぞれに面白さがあって、私の中ではどれが一番・・・という格付けはできません。しかし、出来上がったときに住まい手に驚きが大きいのは再生や改装の仕事でしょうか。新築は何もないところから造りますから比べるものがありません。ですが、再生や改装は長年馴染んできた旧来の建物があります・・・それがこんなに変わって・・・そんな驚きです。
諸々の制約が多いのも再生・改装の仕事です。木の色などは特徴的です。当然、旧来のものは黒く、新しいものは白いのですが、不揃いも歴史を物語る要素として受け入れ、新旧の木は色などをあまりそろえないようにしています。
それぞれの物件にそれぞれの良さ・・・建築は楽しい。
イスづくり。
建築の話題

イスづくり。

日曜日に、和歌山市の木の家工房Mo-kuでイスづくりの体験イベントを開催しました。
木の家・・・という単語は良く耳にするようになりましたが、無垢の木の家と、集成材や新建材の家の区別が良く付いていらっしゃらい方が大半なのが現実です。よくよく写真を眺めてみると、合板がむき出しで使われていたり、構造材が集成材だったり・・・は良くあることです。たくさんの木が見えているかどうかは趣味の問題としても、少なくとも住んでいて清々しい木の家の特性が良く活かされていなければ木の家とは言えないでしょう。
木の特性を理解していただくには、実際に触れてもらうのが一番・・・そんな思いで、無垢の木のイスづくりイベントを開催し始めてからもう10年近くになるでしょうか。過去には一人掛けのイスやそのミニチュア版。背もたれ付の二人掛の長イスなどもありました。このところは涼み台のようなベンチを作ることが多くなっています。
初めて無垢の木や工作道具に触れる方々はとっても上機嫌。建具屋さんの指導よろしきを得て1時間足らずで組み上げていきます。今回の参加者は当事務所ですでに家をお建てになった方が半分、初めて見える方が半分。実際に木の家に住んでいる方々の生の声が聞ける・・・という意味でも、なかなかに面白いイベントだったのではないかと思っています。
イスづくりは年に1回のイベントですが、他に珪藻土の壁塗り体験やシロアリの傾向と対策、木の家完成見学会など・・・年に数回のイベントを開催しています。百聞は一見にしかず、ご興味のある方はのぞいてみて下さい。きっと新しい発見があるはずです。
餅まき。
建築の話題

餅まき。

春の良き日に上棟式が行われました。今回、他の上棟式とチョッと違ったのは餅まきがあったことです。上棟式で餅まき・・・は一昔前までは普通に行われていたことです。その後は夜通し現場で飲み明かす・・・なんてことは結構ありました。しかし、飲酒運転の取り締まりが厳しくなったこともあって、最近では珍しくなっています。木造住宅の多い当事務所でも、3年に一度ぐらいの確率でしょうか。
餅拾いに集まってくれたご近所さんや子どもたちの歓声、その楽しそうな様子を見ても、餅まきをしている当人たちの晴れやかな顔を見ても、いいもんだなあ~・・・としみじみと思います。建て主はこの行事を行うことでご近所へのデビューを果たす訳です。ご近所としても新しい住民を迎える良いきっかけになる事でしょう。
最近はとかく、コミュニケーション不足が諸々のもめ事の原因になったりします。節目節目を良い機会に、これまで培ってきた良き伝統の意味は考えていきたいものです。ちなみに、私も大小取り混ぜて4つの餅を拾いました。幸せのお裾分けを有難くいただきます。
ケヤキのテーブル天板。
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ケヤキのテーブル天板。

現在建築中の、土間でつながる家の住まい手さんとテーブル天板を探しに行ってきました。今回用意できたのはスギの1枚天板、ヒノキの3枚はぎ、イチョウの2枚はぎ、ケヤキの2枚はぎの4種類。
スギは80センチ幅の1枚もの、厚みは10センチほどもあります。年輪を数えると…だいたい150年生ぐらいの木でしょうか、長さは3メートル50センチほどまでのところでご希望に応じて。ヒノキはそんなに太い木はないので、いいところを取り繕って3枚はぎで仕上げます、厚み4.5センチほど、長さと幅はご希望に応じて。イチョウも2枚はぎで80センチを超える幅が取れます、厚みは6センチほど、長さは1.5メートルほど。ケヤキは2枚はぎ、厚みは3.5センチほど、長さは1.6メートルまで。
迷われた末に、最終的に選ばれたのはケヤキの天板。節もなく美しい表面は、まだ仕上がっていないので全体的に白い印象。部分的に蜜蠟を塗ってみると・・・水のシミみたいに少し色が濃くなっているヶ所がお分かりでしょう・・・それぐらいの色が仕上がり色です。足は、同じ倉庫にたまたまあった桜の板を使用して、板足とすることになりました。
天然木の家具は同じものは二つと有りません。ですから、原木を確認しながらの過程を踏むことが大切です。さて、どんな仕上がりになるのでしょう・・・納品が楽しみです。
Mo-ku通信。
建築の話題

Mo-ku通信。

家を建てたいと思っている方や、すでに当事務所の設計で建ててお住まいの方々と、何らかの形で情報の共有がしたい・・・という思いで起ち上げたMo-ku通信。最初は、何もかもが手探りでした。ざらついた紙に白黒印刷で出発してから9年。その時期の関心事や作品紹介・最近の仕事の様子などを題材に年に3~4回の発行を重ね、とうとう今回でvol32になりました。発行の度にご意見を下さる方もいます。待っていた・・・と歓迎してくれる方もいます。毎回取り置きしているよ・・・と言ってくれる方もいます。そんな皆様の声に助けられてここまでやってこられたことをとても幸せに感じています。
Mo-ku通信はこれまでご縁をいただいた方限定で発行してまいりましたが、この度ホームページをご覧下さった方で、ご希望下さる方にも見ていただこう・・・ということになりました。一度見てみたい・・・と思っていただける方は下記まで「Mo-ku通信希望」と書いてご連絡ください。
https://n-shingo.net/contact/
最近の中村設計・木の家工房Mo-kuの仕事や、木の家で実際に暮らしていらっしゃる住まい手の生の声をお届けします。
家具まで、つくる。
建築の話題

家具まで、つくる。

このところ、紙資料を強化しています。先日の作品集と共に、これまで造ってきた家具の特集「家具まで、つくる。」の小冊子も出来ました。
私の設計する木の家では、キッチンや食器棚、お風呂なども造り付けでいきたい・・・とおっしゃる方が多くおられます。お風呂で3割ほど、キッチンでは4割ほど、食器棚は8割を超えるほどの確率です。最近ではテーブルやイスなども造ることがあります。
それぞれの住まいの様子や使い勝手・家族構成によっていかようにも造れる製作家具は、世界にひとつだけの住まい手のオリジナル。実際に使う方と入念な打ち合わせをして、図面を作り、制作前に再度の打ち合わせをして造り始めます。
この冊子ではキッチンの形式ごとのメリット・デメリットなどを、出来上がった本物の写真を参考に解説しています。色々な方に色々な製作家具・・・正解は住まい手の数だけあるようです。
冊子ご希望の方は、下記のアドレスまでお申し込み下さい。
https://n-shingo.net/contact/
問い合わせ欄の一番下に「家具まで、つくる。」希望、と書き込みいただければお送りします。
 
わかやま木の家コンテスト2018 最優秀賞をいただきました。
建築の話題

わかやま木の家コンテスト2018 最優秀賞をいただきました。

先日、県庁知事室で、わかやま木の家コンテスト2018の最優秀賞をいただきました。
お付き合いいただいたクライアントの皆様、選んでいただいた審査員の皆様、本当にありがとうございました。
懸命にやって来たことをこのような形で顕彰いただいて嬉しい限りです。
これを励みに益々精進してまいります。今後ともよろしくお願いします。
このことを地元の新聞にも取り上げていただきました。嬉しいやら照れくさいやら。載ってたで・・・と知り合いから連絡をいただき、私ものぞいてみました。何やら大きなテーブルの前でふんぞり返っている写真、どうも不快感を与えてしまいそうなのでここはひとつご説明を・・・あれはエラそうにふんぞり返っている訳ではけっしてありません。知事から、この住まいはどんなことに気を使って設計されましたか?とご質問があったので、後ろの写真を指さしながら説明をしているところの写真です。懇切丁寧、とても謙虚にしていましたから誤解のなきように・・・。
作品集を作っています。
建築の話題

作品集を作っています。

これまで、ホームページにはそれなりに手を入れてきましたが、印刷資料はまったくと言って良いほど手つかずでした。ですから、折角資料請求の連絡をいただいても送るものがない・・・そんな現況を大いに反省して、今作品集を製作しています・・・と言っても、どこかの製作会社に任すのではなく、私の所は全てが手造りです。
作品と写真を選んで、ひな形を作り、スタッフ一同でああでもない、こうでもない・・・の製作会議をくり返し、いよいよいくつかが出来上がりつつあります。本職を通していない分見劣りするところがあるかもしれませんが、その分私たちの思いがこもっています。まだ未発表の作品も含めました。
ご興味のある方は下記アドレスまで連絡を下さい。私たちの血と汗と涙の結晶(大袈裟で申し訳ない)をお送りします。
https://n-shingo.net/contact/
作品は順次追加していくつもりです。ご連絡をお待ちします。
 
龍神材。
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龍神材。

私の事務所で使っている木は龍神材。30年来の友達である龍神の林業家からいただいています。実は、私が設計する木の家の第1号もこの林業家の自宅でした。当時、木の家を建てたくてもさしたる実績(ノウハウ)のなかった私に、実験台になる事を承知で気持ち良く設計依頼してくれたのです。試行錯誤の上に出来た設計に従って建てた家に住んで、四つの季節を過ごし、快適・・・とのお墨付きをいただいて、私の木の家はスタートを切ることが出来ました。
そもそも、紀州材は300年以上も前から専用の建築用材として育てられ、目込みで色味良く、他の産地の材に比べて1割を超えて曲げ強度が強いなどの特徴を持ちます。中でも龍神材はそれらが際立ち、さらにアテが少なく真っ直ぐで淡い桜色をしているものが目立ちます。
写真の構造材の小口を見てください。だいたい、材の中心あたりに年輪の中心があって、年輪幅が細かいものが後の狂いの少ない良材といえるものですが、ほとんどのものがそうなっているでしょう。天然乾燥ですから小口には多少の割れが出ていますが、構造材として問題になるほどのものはありません。最近では表面割れは、かえって天然乾燥材の証しと言えるかも・・・ぐらいに思い始めています。
構造材が一番見頃なのは上棟時。やさしい桜色の木々が複雑に見事に組み上がっている様を、皆さんにも一度見ていただきたいものです。