建築の話題
新築住宅着工戸数減の様子。
先日、田辺市秋津の建築現場で瑕疵担保保険の基礎配筋検査を受けました。最近は申請も検査も格段に手続が複雑になって大変だ・・・という話ではなくて、検査員によると、検査の件数が激減しているのだそうな。つまり、新築住宅の着工戸数が激減しているということ。
コロナのパンデミックが始まって、ロシアがウクライナに侵略戦争を仕掛けて、世界中で食料や物資がなくなり、諸々の品物の価格が高騰して、建築現場でも品切れとともに建築費の高騰が止まりません。2年前より約3割ほど工事費が高くなったような感覚です。具体的に言いますと、3,000万円で建てられた家が、今では4,000万円近く必要になった・・・ということです。
この高騰はもうすぐ止まるとふんで、着工を差し控えていた方々もおられるようですが、今回はそんな雰囲気がありません。例えばキッチンやシスバスなどの住設器具は春と秋に再値上げ・・・ほかの品物も値上げの時期待ちです。
こんな調子だと建てたい方も建てられなくなる、と心配していたのがいよいよ現実化してきたようで、この先大変な時代になりそうです。
建築の話題
現物はバーチャルに勝る。
最近はバーチャル技術が進んできて、たいがいのことはモニター画面で確認できるようになりました。設計事務所でもパース(完成予想図)はCG画面でとても精密に作ることが出来ます。でも、緻密になればなるほど小さな違いが気になります。そんなこともああって、私の事務所では完成予想図はわざとリアリティのあるものより、スケッチタッチの絵画風なもので出して、細部のことより全体の雰囲気を伝えるようにしています。
住設機器のショールームなどでは当然、精密なCG画面がモニターに映し出されます。しかしそれでは、住まい手は手応えを持って決めることが難しいようで、結局現物見本を手に取りながら詳細を詰めることになります。あるメーカーでは写真のような模型を用意していて、それぞれの色や仕上げを取り替えながら目の前で模型を作っていけるようにしています。試していただくと・・・これがなかなかいける。色々と迷っておられたのに、これならどう・・・これに換えると・・・と試しながら、ほんの数分で好みのものを作り上げてしまいました。
やはり、バーチャルでは得られない現実感を、小さくても手に取って触れるものでは得やすいようです。最後にはまだまだアナログ世界にはかなわないな・・・と思った次第でした。
建築の話題
田辺で地鎮祭がありました。
田辺市秋津で地鎮祭が執り行われました。
昨日は、関東では積雪の警報が出るくらいのお天気だったらしいのですが、うってかわって田辺は雲一つないぽかぽかの春の陽気です。参加してくれた龍神の林業家は、龍神では昨日まで60センチの雪が積もっていた・・・と言っていたので、本日の好天は本当にありがたいことです。
神主さんは田辺市つぶり坂の出雲大社さん。神社ではお決まりの2礼2拍手が、出雲さんでは2礼4拍手。清めの酒や塩やお祓いは、建物の4周のことが多いのですが、敷地全体にしてくれました。敷地全体ですから、お酒は1升では足りず、丸々2升がカラになるほどの量です。地鎮の儀は執り行っていただくところによってやはりいろいろ違うようです。
私の事務所では、この春に3件が着工します。内の2件は、世間が10年に一度の寒波・・・と大騒ぎなのに、奇跡的と呼べるほどにお天気に恵まれました。頑張っている建て主の方々を神様がしっかりと見守ってくれていたのでしょう。神様、もう1件・・・よろしくお願いします。
建築の話題
地鎮祭がありました。
岩出の地で地鎮祭が執り行われました。
このところ10年ぶりの寒波到来・・・とかで、とても寒い日が続きましたが、うってかわって本日は晴天。風もなく、お日様の暖かみがそのまま享受できる願ってもない好天に恵まれました。神主さんは物腰柔らかく、落ち着いた口調と所作で滞りなく祭事を進めてくれました。参加者全員で乾杯してお開きです。
最初に設計のお話をいただいてから少し時間が経ってしまい、その間にコロナだウクライナ情勢だとどんどんと世間が慌ただしくなり、工事費もうなぎ登りで、建て主様にもご迷惑をおかけしましたが、とにもかくにも良いスタートが切れたのは幸いです。
これからは、中村設計としては設計のお仕事から監理のお仕事にフェーズが変わっていきます。しっかりと頑張ります。皆さんよろしくお願いします。
建築の話題
カタログ類を新しくします。
府中の家に持って行く本を選んだのをきっかけに、本棚の整理も少ししました。去年の年末は仕事に追われて本棚整理をする間もなかったので、良い機会でした。
そうすると、ダブっているカタログやら、古い年度のカタログやら、最近あまり使っていないカタログなどが目に付き、大きなゴミ袋三つほども処分しなければならないものが出てきました。古いカタログは設計には使えないので、新しいものをメーカーや問屋さんに連絡していただくことにします。カタログはどこも、紙質の良いもので力を入れて編集したのを用意しますので、最近では、カタログ類は有料・・・というところもあります。
少しずつそろい始めましたが、折角整理して本棚を開けたのに、この調子じゃあまたまた本棚いっぱいになって、元の木阿弥になるんじゃないの・・・苦労というものは、いつも報われると決まっているものでもないようです。
建築の話題
蜜蝋ワックスを掛ける。
府中の家に入れたケヤキの大テーブルに、蜜蝋ワックスを掛けて仕上げます。
ウレタンクリアなどの表面に膜を作ってしっかりガードしてくれる塗装で仕上げると、いつまでもツヤツヤできれいで水にも強く傷も付きにくいですが、それでは木の風合いを損なってしまいますし、木の呼吸を止めてしまうことになります。ですから、私の現場では、床も家具もほとんどのものは蜜蝋ワックスで仕上げます。
塗ったところは水に濡れたように少し色が濃くなって仕上がります。床などは、ゴミだまりになったりベタベタしたり虫が集まったりしないようになるべく薄く塗り伸ばしますが、吸い込みの良い素材のテーブル天板などには少し厚いめに塗っても大丈夫です。塗っては拭き取って、塗っては拭き取って・・・を根気よく続けて、全体を均一に仕上げます。
傷付きは防止してくれませんが、これで充分に水もはじいてくれるので使っていて不便はありません。蜜蝋ワックスは素人にも使い勝手の良いオススメの品物です。
建築の話題
改装工事が竣工しました。
龍神の地で行われていた改装工事が竣工です。この工事では台所・食堂を中心に、住設と各部の仕上げを新しくしました。室内で大きく変わったのはダイニングキッチン。新しく付いたキッチンと薪ストーブが雰囲気を一新させています。
キッチンセットはオールステンレス。素材感が豊かなので、伝統的な木の家とのマッチングも良好です。キッチンセットの後ろ側には食器棚が付くことが多いのですが、この住まいではキッチンに合わせたステンレス天板の流し台が付いています。ご主人が趣味の釣りで得た獲物をさばくための専用流しです。
もう一つ新しく導入されたのは薪ストーブ。寒さの厳しい龍神では冬場の大きな助けとなることでしょう。さらに、この薪ストーブには火床の下に調理用のオーブンが付いています。つまり、暖をとりながら、オーブン料理も楽しめる・・・という一石二鳥の器具なのです。薪ストーブは大変手間のかかる暖房器具ですので、こんな付加価値が付いているのはありがいことでしょう。
今週中頃からは大寒波到来の予想です。室内にこもっても存分に楽しめそうな住まいが、このタイミングで竣工・引き渡しすることが出来てうれしく思っています。
建築の話題
新しいパソコンを入れました。
1台直したばっかりなのに、また1台新しいパソコンを入れることになりました。パース(完成予想図)制作や動画編集に必要なのだそうです。何でもパソコンで出来るようになりましたが、その代わりソフトが要求するハード(パソコン)側の必要性能がどんどんと上がって、現状で稼働している機械では、じきに追いつかなくなります。特にやっかいなのはビデオカードです。しかも、その部品が高い。
なんでも、測量の世界ではGPS情報やドローンを飛ばしての測量が一般化してきて、CPUにi9の高級品、ビデオカードも高級品、メモリーなどは128GBほどのスペックが必要だそうで、そうなるとパソコンも70万円以上のお値段がするのだそうな。そこまでの性能は必要なくても、建築でもその半分ほどのお値段の機械が必要になります。
さて、今回の機械で5年ほどは要求を満足してほしいのですが、いかがなものか・・・かえすがえすも、ドラフター1台で勝負できた頃が懐かしい。
建築の話題
パソコン修理。
設計事務所にとってパソコンは必需品。いや、最近では設計事務所でなくてもパソコンは必需品、これが壊れてしまった。
ある日、事務所に座っていると、ガサゴソ・・・みたいな大きな音が突然鳴りだして、何ごとかと慌てましたが原因はすぐに分かりました。事務所では常時6台のパソコンが動いていますが、サーバーとして使っている個体が犯人です。恐る恐る側面パネルを外してみると、どうやら電源ユニットから聞こえてきます。ファンとケースが擦れ合って鳴っているようです。どうして良いか分からず、とりあえずは擦れているケース側をコンニャロ~・・・とドライバーで変形させてその場をしのぎました。
後日、本職に見ていただくと、やはりこれが原因だとのこと、本体はまだ導入して2年とちょっとなので、この際に電源ユニットを換えて・・・チックショウ、だから機械ものは、特に電子機器が絡むものはキライなんだ。などと思いながら、この度電源ユニット交換の運びになりました。
ああ、ドラフター1台で勝負出来たあの頃が懐かしい。鉛筆の線にも個性と味があって、出来上がった図面は愛おしかったものです。昔は遠くなりにけり・・・。
建築の話題
薪ストーブ人気。
薪ストーブは、薪を燃やす・・・当たり前ですが、これが環境に良い。木材はCO2(二酸化炭素)を木という形で固定しています。それを燃やすわけですから、空気中にCO2を排出してしまいますが、排出したCO2は森が又せっせと木として固定するので、CO2の総量としてはプラス・マイナス0です。ただただCO2を発生するだけの趣味の暖房器具ではありません。この環境循環が、このところのSDGs(持続可能な開発目標)に合致しているので、注目もされて、採用例も増えています。
ところが、このところのロシアのウクライナ侵攻で、ロシア産のガスや石油が止まってしまい、困ったヨーロッパでは薪ストーブ人気に拍車がかかり価格高騰の上、品薄です。影響は日本にも及んで、品物そのものがなかなか手に入らない状況が生まれています。
中村設計では、今シーズンは4台の薪ストーブを据えました。オーストラリア産のピキャン・オーブンとピキャン・バロッサ、ベルギー産のドブレ640WD、アメリカ産のバーモントキャスティングス・アスペンC3。薪ストーブそのものが趣味性の強い暖房器具なので、希望される方も、使い方や好みによってご希望の品物は色々です。