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職人仕事。
建築の話題

職人仕事。

どんな仕事にも、その仕事を長年しているからこそ得られる技や勘所というものがあります。私は設計の仕事をしていますので、建築現場にも日常的に立ち入ります。そこで色々な技に出会います。
写真は桜の床板(無垢の縁甲板)を張っているところ。板と板の間に挟んでいるのがスペーサー。チョッとしたことなのですが、この気づかいが大切なのです。隙間なくきっちりと張り上げることだけが大事なことなのではありません。木は湿度や湿度によって伸び縮みします。もちろん木の種類によってもその幅は違いますし、繊維方向によっても伸び率が変わります。今の時期なら、この気温なら、このぐらいの湿度なら、この木なら、この方向に貼るのなら、この現場なら・・・いくつもの要素によって加減は変わってきます。いちいち何かの器具で状況を確認しながら仕事をする訳ではありません。なのに不具合が起きない・・・ということは、職人の勘所が的を射ているということです。
職種に応じたノウハウがしっかりと自身の中に生きている人こそ「職人」と呼ばれるにふさわしい人です。職人仕事がそこかしこに尽くされた住まいは、私たちに快適な住まい心地を提供してくれることでしょう。
わかやま木の家コンテスト。
建築の話題

わかやま木の家コンテスト。

10周年を迎えたわかやま木の家コンテストの事務局から、作品紹介の冊子と10周年の記念の盾が贈られてきました。
冊子は参加者に毎年送られてくるのもですが、盾は今回が初めてです。高さが17センチ程・幅が25センチ程・厚さが3センチ程のもの。とっても目込みで色味が良く、年輪を見てみると・・・これは結構な樹齢の相当太い木から作られています。
周年記念ですから、盾はあっても良いようなものですが、それにしても何故突然に・・・和歌山県のホームページを開いてみると、10年間続いていたコンテストの次回の募集告知が今年は出ていません。ということは・・・この褒賞も10年のひと区切りをもっていったん終了(又は中断)となるのでしょうか?事業終了記念の盾なんでしょうか?
木の家づくりに力を入れている私には、わかやま木の家コンテストはとても大事なコンテストでした。10年前の第1回目に最優秀賞(陽だまりの家)を頂いてから、昨年(第9回)の水平線を望む家、今年(第10回)のみどりの斜面に建つ平屋と、合計で3回の最優秀賞を頂く事が出来き、自分たちの仕事がしっかりと地域に役立っていることが確認できたのが大きな収穫です。
誰にとっても、何かの機会に生き方の検証が出来るのはありがたいもの。わかやま木の家コンテストは設計を生業とする私には良い機会でした。同時に、木の家に住みたい・・・と思っている方々には格好の情報提供の場でもあったことだろうと思います。このような顕彰の場がもう一度パワーアップして再登場する日をお待ちしています。
又々お勉強です。
建築の話題

又々お勉強です。

又々建築のお勉強会です。今回の講習は「住宅省エネルギー技術講習」。
世界中で叫ばれている省エネルギー(CO2削減)の、建築分野におけるとっても具体的な方法論の解説です。住まい手にとってみても省エネルギー生活を送ることはそれだけ出費(光熱費)が減る・・・ということですから良いことには違いないのですが、どうも方法に偏りが感じられて、諸手を挙げて賛成・・・ということばかりではありませんでした。そうは言っても国の方針なんで、精一杯に対応はしなければならない訳ですが・・・。
我が事務所は・・・と振り返ってみると。大丈夫、その辺のところは10年以上も前から対応済みで、すでに図面にも折り込んでいます。そもそも、(特に住宅分野では)寒い地方の建物に比べて紀伊半島の海岸沿いに暮らす我々の建物はどうも気密・断熱ということに関しては関心が薄く、その部分に対する警鐘としては、今回の講習はとっても有意義・・・とは言えるのですが、もう少し蓄熱・調湿という日本独特の風土にも気を付けたい訳で・・・今後はその辺にも考え至った講習をお願いしたいものです。

 
又、お勉強。
建築の話題

又、お勉強。

年末になると、待ってましたとばかりにあちこちでいろんな公共工事が始まるような気がします。なんせ、予算は使い切らないと来年以降が大変・・・お役所にはそんな雰囲気があるのかないのか・・・予算消化とも思われかねない工事がたくさん。そもそも民間は、なんとかしてお金を残して、それを設備投資に充てたり職員の待遇改善に充てたり・・・と頑張るものなのに・・・その辺がお役所と民間が決定的に違うところ。
そんなこんなと関係ないとは思いますが、私たちの講習や研修もこの時期に集中します。今回受けてきたのは開設者・管理建築士のための建築士事務所の管理研修会・・・ああ~、名前からして長くて何だかとっつきにくい感じ。
中身は建築関係法規の改正部分の解説と開設者・管理建築士として心得ておかなければならない諸々のことの再確認・・・のようなこと。朝から夕方までみっちりの講習を受け終える頃にはすっかりくたびれてしまって・・・分かりました、重々気を付けて頑張ります・・・すっかりその気になるから不思議。あらためて、建築設計という行為の重責を確認した次第です。
職人道具 Ⅱ。
建築の話題

職人道具 Ⅱ。

今回の現場(古民家の改修/印南町)では発見(?)が相次ぎます。この度見つけたのは釘箱。
最近は法規上の制約で、どこのヶ所にはこの規格の釘を使わなければならない・・・とか、このボードはこの釘をこのピッチで打たなければならない・・・とかの決まりが細かく決まっているので、使う釘の種類も増えてはくるのでしょうが、それにしても大量の釘が見事に整理された釘箱です。
整理整頓は何ごとにつけても初歩の初歩。私の友達には、仕事場の整理具合を確認すればその職人の腕が分かる・・・と豪語するものまでいます。まったくその通りではなくとも、経験上私もその意見には賛成です。
昔から、段取8分・・・という言葉があるように、しっかりと整理が出来て次の準備が整っていれば、物事は順調に運ぶものです・・・と書きながら、フッと我が身の周りを見渡してみれば・・・ムムッ、これはなんとかしなければ。
職人道具。
建築の話題

職人道具。

将棋が強くなりたいと思ったら、立派な盤と駒を買うことだ・・・ある名人がこんなことを言っていました。そう言えば将棋の道に限らず、どの道の達人の手元にも立派な専門道具を見つけることが出来ます。
先日、現場を訪れたときにフッと目にしたのがこのノミの道具箱。こんなに必要なのか・・・と思うほどにたくさんのノミが並んでいることに驚きましたが、もっと驚いたのは、その一本一本が使い込まれている上に良く手入れされていること・・・年季の入った見事な道具箱でした。
以前にも同じ様なもの(もっとずっと新しかったですが)を見かけたときに、これいくらぐらいするの・・・と下賤な質問をしてみたら、安くても数十万、三桁行く品物もざらにある・・・とのことでした。決意は人を育てます。その職人はまだ若く、大枚はたいて手に入れた新しい道具とともに船出したところのようでした。
最近は日曜大工センターで手軽に道具を調達してくる職人達も随分増えたことでしょうに、志を立てしっかりとした道具で着実に我が道を歩んでいる職人に敬意を表します。
研修会。
建築の話題

研修会。

建築士という資格には資質向上のための日々の研鑽が義務付けられます。設計業務をする上で知っていなければならない事柄が多いものですから、講習や研修も結構な範囲にわたり、回数も年間にそこそこあります。今回の研修は建設業法等が改正されたのに伴うもの、講師は県庁の担当課の方々です。
しかし、いつの研修も講習も、膨大な内容を短い時間に詰め込んで強行しますから、受けている方は資料を追うのに精一杯です。結局は、参加者に丁寧な習得を促すものではなく、ダイジェストを読み上げて体裁を仕上げ、やるだけやってあげたので後はそれぞれに頑張って間違いのないようにね~・・・のような、いかにもお上的な講習が多いのはいただけません。
もちろん、それだけでもやってくれるだけマシで、現実に仕事に携わる身としては大いに助かります。後はきっちり自分で仕上げて実務に活かすのみ・・・どの仕事も大変。そこにはそこなりの苦労もある。人生そんなに楽しては渡れません。しかし、面白さも楽しさもあるのでやめられないのです。
うちの暖房器具は暖吉くん。
建築の話題

うちの暖房器具は暖吉くん。

ほんの少し前までは記録的な暑さだとか、何十年ぶりの猛暑だ・・・とか言っていたのに、気が付けばすっかり秋です。
今時分から段々と需要が高まってくるのが暖房基具。暖房器具にも色々とありますが、私の経験では、一番一般的に使われているであろうエアコンが実は一番評判が悪い。頭ばかりがボーッと温かくて足元が寒い・・・皆さん口を揃えてそう言います。それでは評判が良いのは・・・薪ストーブ、床暖房、蓄熱暖房機の3つ。いずれの器具にも共通しているのは、輻射熱を利用する器具で、温度のムラが比較的少なく、室内の空気を一切汚さないところ。
私の事務所で活躍しているのは、深夜電力でレンガを暖めておく方式の蓄熱暖房機「暖吉くん」。一度設定をしておくと、後は時期(外気温)を見て蓄熱量を時折調整するのみ。7kの能力の器具で30帖ほどある事務所を1台で暖めます。大きさはエアコンの室外機2台分(幅が137センチ・高さ60センチ・奥行き26センチ)ぐらい。
今年もいよいよ暖房器具の世話になる時期が来ました・・・それにしてもなんて月日の経つのは早いのでしょう。年を重ねるにつけ時間が加速度的に早くなる気がします。皆さんの時間の進み具合はいかがでしょう・・・早くなっては来てませんか?
ウンテイと登り棒のある家。
建築の話題

ウンテイと登り棒のある家。

本日、紀の川市で工事をしていた「家族と生長する家」がめでたく竣工・引き渡しを迎えました。
この住まいは建物タイトルにあるように、家族の成長に合わせて住まいも成長させてあげたいなあ~・・・という住まい手の願いのこもった家。今は小さいお子さんもだんだんと大きくなり、一人増え、二人増えすると当然生活のありようも変わってくることでしょう。屋内の空間の用途を自分たちで決め込んでしまって不自由な思いをするよりは、その時々に応じた臨機応変な変化を許容する住まいを用意することには私も賛成です。
新築時から用意した特徴的なものは、大きな玄関土間と登り棒とウンテイ・・・ブランコやハンモックは取り付けたことはありますが、ウンテイを付けたのは今回が初めてです。ご主人は自分でもトライアスロンに挑戦されるほどアクティブな方。たとえ住まいの中といえども、子供たちにはいろいろな体験を用意したかったのでしょう。
さて、この住まいがどのように成長していくのか・・・私も一緒になって見守ることにしましょう。
 
見学会を開催します。
建築の話題

見学会を開催します。

写真などを見て、あんな家も良い・こんな家も良い・・・なんて思っていても、なかなか現実感は湧かないものです。しかし、いざという時に役に立つのがこの「現実感」という感覚。どうやって養えば良いのかというと・・・いっぱい本物を見ることです。機会あるごとに色々なものをたくさん見ていると、これは肌に合う・これはどうもしっくりこない・・・というのが分かってきます。
私の事務所でも、住まい手さんの了解がいただける物件はなるだけ皆さんに見ていただきたい・・・と思い、機会を見つけては見学会を開催しています。今回見ていただけるのは和深の平屋。築100年を超す母屋から、たくさんの建具類を引っ越しさせました。それらの品々が、新しいものにはない存在感を放つ、ノビノビとした平屋です。
お時間の許す方はぜひお越し下さい。20日の日曜日、午後2時からの開催です、お待ちしています。
お申し込みは中村設計(0739-24-3824)か、ごらんのホームページのお申し込み欄からどうぞ。