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役立つ小物類。
建築の話題

役立つ小物類。

建築設計・監理という仕事柄、住まいのメンテのお話しはよくいただきます。大掛かりに増改築したい・・・から、ちょっと戸の締まりが悪い・・・ぐらいまで様々。本格的なことは専門業者を連れて行っての対応になりますが、ちょっとのことは、ほんのちょっと道具を持っていただけでなんとかなってしまうこともあります。
そういう訳で、メンテ用のスプレーは幾つも持っています。写真右は建具の開け閉めなどを楽にするメジャーメーカーのシリコンスプレー。左は金属の擦れ合うところに使う潤滑スプレー。このほかにも、シールはがし用やら汚れ落とし用、油落とし用のからグリースタイプの潤滑剤、鍵穴用から床鳴り用まで結構持っています。
実際に、不具合・・・と連絡頂いて伺ってみると、スプレー類やドライバーなどの工具で治ってしまう事も結構あって、住まいを居心地良くするのは、はんのちょっとした工夫や細工なんだなあ~・・・というのが実感です。住まいの工夫はなんと言っても身近で無料・・・何かあればまずは自分で一度試してみてください。
本物を見て・触って決めましょう。
建築の話題

本物を見て・触って決めましょう。

建築設計という仕事柄、日々たくさんの決定するべき事項に直面しながら過ごしています。本日の決め事は石。
一言に石・・・と言っても、本当に色々な種類や味わいがあります。使いたい部位や形状、使い勝手に応じて、どこの産地のどんな物が良いのかの目星を付けて、まずはサンプルを頂きます。この、まずはサンプルを・・・というのが大事なところ。よほど使い慣れた品物でない限り、これをカタログや写真で決めてしまったのでは、後で後悔することになります。特に石やタイル・珪藻土や紙などの自然素材にはその傾向が強いように感じます。
責任と自信を持った品物選びは、必ず本物(実物)を見て・触って・時にはニオイを確かめて、なんなら味をみて・・・ぐらいのことをしながら、自身の体感・体験を伴ったかたちで進めましょう。迷った時には是非本物を手に取ってみて下さい。本物は人のインスピレーションを引き出してくれます。感じたままに従えば、物選びは思った以上に難解でなくなりそうに思います。
木の家は、工夫次第で長寿命。
建築の話題

木の家は、工夫次第で長寿命。

住宅は長く現役であってこそ資産。ローンを払い終わってすぐ寿命を迎えるようでは、ただの「負債」で、財産とは言えません。日本の住宅の平均耐用年数は30年を切る、先進国で有数の短寿命です。これは、柱・梁組(基本軸組)の貧弱さと、住継ぐこと(増改築)への対応不足が大きな原因だと思われます。
世代ごとに手直しをしながら、家族のアイデンティティと共に親から子へと受け継げる住まいを造るには、構造安定性が高く高耐久で経済的な上、間取りの変更が容易な基本軸組が必要です。古民家と呼ばれる日本古来の住宅を思い出してみてください。間取りの中心には大黒柱と呼ばれる大きな柱が立っていて、その上には太い丸太が架かっていました。柱や梁は長辺2間のグリッドで規則正しく組み上げられ、耐久性や可変性に富んでいました。
木造住宅の基本構造は、コンクリート造や鉄骨造と同じです。コンクリート造や鉄骨造では柱と梁が好き勝手に食い違っている建物を見ることはありません。なのに、木造住宅では何故こんなに基本的なことがないがしろにされてきたのか不思議です。そこに木造住宅の短寿命の秘密があります。
古民家に学び、柱・梁組(基本軸組)は理屈通りに組み、しっかりとした基本軸組に耐震・耐風の性能、断熱・気密の性能、劣化対応の性能を付加した建物こそが今必要とされる建物だと言えるでしょう。
古民家の改修 紀の川市 竣工しました。
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古民家の改修 紀の川市 竣工しました。

紀の川市で行われていた古民家の改修工事が終わり、この度めでたく引き渡すことが出来ました。はじめて現場に伺ったのは2020年の11月でしたから、設計から竣工まで約2年を要したことになります。母屋は築100年程の古民家、一体になっている増築部分は築40年弱。この度に両方を一気に改修し、親子2世帯でそれぞれに住まわれる計画です。
母屋(古民家部分)はこれまでにも何回か改修工事を受けており、土間には床が設けられ、天井や壁は新しい建材で覆われている所もありましたが、今回はこれらを取り払い、古民家そのままの良さを引き立てる方向の改修を心がけます。ですから、天井も昔からの材料を出来るだけ再利用、どうしても再利用出来ないところだけ新しくします。柱や梁に残るほぞ穴類は住まいの歴史として残せるだけ残しました。ただし、断熱性能・気密性能などは現在に要求される性能を満たすように手厚くしてあります。仕上げは天井などの板類と、壁に使った珪藻土が中心です。
写真の増築部はそんなに古くありませんし、若夫婦の住まいとなることから、少し現在風に仕上げます。断熱材も仕上げ材も透湿抵抗の少ないものを選びましたので、清々しく過ごしていただけると思います。
長い時間を根気よくお付き合いいただいた住まい手の皆さん、工事に携わってくれた職人方に心からお礼を申し上げ、完成の挨拶とします。皆さん、本当にありがとうございました。
明洋の家 地鎮祭が行われました。
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明洋の家 地鎮祭が行われました。

梅雨だ、戻り梅雨だ、台風だ、大雨だ、線状降水帯だ・・・と、このところ天候不順で大変ですが、そんな合間を縫って、本日めでたく晴れ渡った空の下で、地鎮祭が執り行われました。
神主さんの話によると、天候不順の中でこんなに晴天に恵まれて段取りよく地鎮祭が執り行えたのは、これからの工事の無事を示唆するようだ・・・とのこと。ありがたい、誠にありがたい。
既存屋を取り壊した後の敷地は、今まで馴染んできたものが何もかもなくなって、少し寂しげに見えましたが、これからいよいよの新しいスタートです。縄張りをしたばかりの地面を見て奥様が、大きな家やねえ~・・・とおっしゃる。そうです、地縄で見てこの大きさだと建ち上がると想像以上に大きな家になります。半年後の竣工をどうかお楽しみに。
浄化槽点検
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浄化槽点検

本日は田辺の事務所の浄化槽点検がありました。役所の定める定期点検と、民間の任意の点検があるので、なんだかとってもせわしなく、いっぱいいっぱい点検ばかりしているような気がします。そんなに点検しなくちゃならないの・・・とも思いますが、これも浄化槽を健全に保つため・・・と言われれば仕方がない。
健全かどうかの一つの指標に汚泥の浄化度というのがあって、それは写真のような容器に汲み取った汚泥が、30分でどれくらい沈殿し、水の透明度がいかほどか・・・という検査。うちはお陰様で10分ほどできれいに汚泥と水が分離して、水の透明度も高く、問題なし・・・という評価。だてに、年間何回もの検査を受けているわけではない・・・というところか。
ところで、最近では家庭排水や企業排水の浄化が進んで、環境負荷が随分と軽減されたらしい。身近なところでも、これまで汚かった川がきれいになって、なんと魚まで帰ってきた・・・なんて光景を目にしたことはありませんか?その気になればたいしたもんだ。ところが、海に流入する水がきれいになりすぎて、微生物の栄養分が不足し、海は栄養不足で魚が減り始めている・・・という研究結果もあるようです。
あちらを立てれば、こちらが立たず。とかくに人の世は難しい。
木の家はダニの活動を抑える。
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木の家はダニの活動を抑える。

木材が活性炭と同等の悪臭成分の消臭効果を持つことや、ヒノキやスギから採れる精油が大気汚染物質を除去すると共に、黄色ブドウ球菌や大腸菌などに抗菌効果を持つことが知られはじめましたが、今回はダニの防除にも役立つということをお知らせしましょう。
リビングルームの床を畳あるいはカーペットから木の床に改装し、各部屋の床上及びカーペット・ソファー・ベッドのダニ数を測定した結果、8月と9月の家の中の1平方メートルあたりのダニの平均は104匹から23匹に減少したという研究結果が得られています。
又別の実験では、ダニが木材チップに直接触れることがないように通気穴のある容器に入れて、住宅や家具などによく用いられる木材、ヒノキ・ヒバ・スギ・ナラ・ケヤキのチップの上に設置し、温度25度・湿度85%の環境で、72時間後まで動いているダニの数を数え割合を算出した結果、チップから発散されるニオイ成分にはヤケヒョウヒダニの行動を抑制する効果が確かめられました。ちなみにナラ、ケヤキなどの抑制効果は低く80%を超えるダニが動いていましたが、ヒノキやヒバなどではほぼ100%のダニの活動が止まり、スギでは60%程のダニが活動を止めました。
最近では、内装を木に改装するまでもなく、木の成分を抽出した商品が手軽に手に入りますから、住まいの環境改善は思ったより簡単にはじめられるかもしれませんね。
木の内装は快適な空間づくりの助けとなる。
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木の内装は快適な空間づくりの助けとなる。

室内の仕上げに木材を用いると、木材の吸放湿作用が空間の湿度をある程度一定に保ち、過ごしやすい環境づくりが可能になります。また、湿度を低く保つことでハウスダストの原因となるダニや細菌の生存しにくい環境も作ります・・・という意見があります。では、実際に木質内装の湿度の調整効果はどのくらいあるのでしょう。
壁・天井などの内装に木の無垢材を使用した部屋(A棟)と、木目調のビニールクロスを用いた部屋(B棟)で睡眠時における室内の湿度を測定した実験によると、季節にかかわらず、A棟の方がB棟より湿度が低くなっています。通常、寝ている状態では人の呼吸や発汗などによって時間と共に湿度が上昇しますが、無垢材が吸放湿作用を発揮し、その上昇を抑制したと考えられます。ビニールクロスを貼った内装では、水分をあまり吸収しない素材が表面に露出しているため、容易に湿度が上昇している様子がうかがえます。
冬期、睡眠8時間後の木質内装の部屋(A棟)では約72~73%程度の湿度なのに対して、ビニールクロス内装の部屋(B棟)では87~88%程度の数字を示しています。夏期では、同じくA棟では74~75%程度の湿度なのに対して、B棟では89~90%程度の数字を示します。
つまり、冬期も夏期も木質内装の部屋では人の睡眠中の湿度の上昇がおだやかで、抑制出来た湿度は15%程度であったということです。就寝時にエアコンのかけっぱなしで体調を崩した経験がある方々には特に参考にしていただきたい実験結果です。
すさみ町多世代交流施設 E'cora。
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すさみ町多世代交流施設 E'cora。

今は田辺に住んでいますが、私は串本の生まれで、小学生の時にすさみ町に引っ越して、今でもすさみに実家があります。実家の少し海側には幼稚園があり、子供たちの声と共に送り迎えのクルマが行き交い、田舎町にしては結構賑やかでした。しかし、何年か前に幼稚園が津波被害を心配して引っ越すと、園舎だけが残り、その旧園舎を再利用して出来たのが「すさみ町多世代交流施設 E'cora」という施設です。
出来たことは知っていてもこれまで立ち寄ったことはなく、コーヒーなどもいただけそう・・・ということで寄ってみたところ、開設はしてみたものの人出が思うほどでなく、今はカフェを経営していた業者も撤退した・・・とかで、子どもたちが何組か遊んでいるばかりです。
建物的に新しくなったのは、南の元の園庭に大きく張り出した庇。屋根面は透明なもので葺き上げ、天井にあたるところに木材のルーバー状のものがゆっくりと曲線を描いて取り付けられています。透明感のあるやさしい意匠でなかなかに感じの良いものです。こんなに良いものが出来たのに、なんだかもったいないなあ~。箱は造ってもソフトが上手く動かない・・・どこの市町村も同じ様です。さて、私たちには何が出来るのでしょう。
南部川村で古民家の改修が出来上がりました。
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南部川村で古民家の改修が出来上がりました。

本年年明けより始まった古民家の再生工事がひと息つきました。
そもそもが、移築してきた民家にゲストを迎えられるように手を入れる・・・という事で始まりましたので、いつものように屋根をめくって外壁を外して床を取り去って柱と梁の骨だけにしていちから住まいを造る・・・という工事ではなく、比較的おだやかに(?)現場は進んだように思います。その分、床・壁・天井の断熱性能などは充分でないかもしれませんが、代わりに原型は随分と残せたように思います。
ひと息ついた・・・と表現したのは、この建物に付随する建物がまだ出来上がっていないからです。元々古民家には、台所はあってもトイレやお風呂は付いていません。もちろん洗濯場も物干しもないわけです。しかし、それらがないと現在の建物(住宅)としては大変不自由なことになりますから、この際にそれらを整備しようということになっています。
中心となるこの古民家の再生は建て主さんにも気に入っていただけて、最終の出来上がりを心待ちにされているご様子・・・さて、もうひと息です。頑張ってまいりましょう。