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マツダCX-60試乗。

試乗しての印象は・・・の前に、ボンネットの中の写真を一つ。これを見て3.3リーターもある直6のディ-ゼルエンジンに見えますか?見えているところは直4のガソリンエンジンぐらい。前が大きく余っています。ということは、後(運転席側)にめり込んで据え付けられているのでしょう。マツダは昔からエンジニアリングに一家言ある会社。これで車体の重量配分も随分と良いはずです。
まず、エンジンの話から入ったのは、良くも悪しくもこのクルマの印象はエンジンが支配していたからです。アクセルを踏み込むと、力強く気持ち良く吹き上がって、さすがの大排気量6気筒というところ、しかし、ちょっとフリクション感が大きい。回転感がもう少し滑らかであって欲しい。振動も少なく回転の上昇も早いのに不思議な現象です。たぶんこれが原因で、クルマの動きも重い印象です。ハンドルを切ったときの動きは機敏なのに、全体に軽快感がありません。別の言い方をすると、ドッシリと落ち着いた濃厚な印象・・・と言うこともできるでしょうか。でも、紛れもなく高級車なので、これで正解なのかも?
サスは極低速時に少しコツコツ振動を伝えますが、私などは全くの許容範囲です。それよりも、低速時に引き締まった感があるサスのわりには、巡航速度で車体の上下動が止め切れていないことの方が気になります。もうひとつ気になったのは、直進性が少し甘いこと。最初は、最近流行の安全機能が効きすぎていて、思いがけないところでアシストが入っているのか・・・と思っていましたが、それを切っても挙動は変わりませんでしたから、ハンドルの中立付近の締まりが甘いのでしょう。矢のように真っ直ぐ、と走るのはそんなに得意ではないんだろうと思います。
伝統の成り立ちと最新の機構と機能をもれなく盛り込んで作り上げた、マツダ渾身の作ですから、今後の熟成に大いに期待します。