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これは大変。

もう2ヶ月も前に来た台風なのに、紀南の地には後遺症がまだ色濃く残っています。写真は南部の国道42号線沿いの海側の歩道手すり。手すり奥のコンクリート構造物は堤防を兼ねているので、その向こうはすぐに海です。この堤防を越えて波が押し寄せ手すりを破壊してしまったのでしょう。この場所にかかわらず、まだブルーシートを被ったままのお家はたくさん有ります。
工務店や職人達と話をしてみると、どこもフル回転で復旧に当たっているようですが、今年いっぱいの回復は難しいようです。特に仕事がたて込んでいるのは屋根屋と足場などを掛ける職方。このへんは年を越しても仕事を終えるのは難しいでしょう。そんな状況ですから、徐々に新築工事の方にも影響が出始めています。思い通りに事が進まず、全般に工事日程は押され気味、工事費は高騰気味なのです。
全国的に見ると災害復旧は紀南の地に限らず、四国・九州・山陽地方・東北・北海道・・・全国各地に及んでいます。それに加えて、オリンピックの関係で関東はバブルの状況。全国的にもインバウンドの取り込みに懸命でホテル・旅館建設は活況です。かてて加えて、来年の秋には消費増税も本決まりしそうですし、これで大阪万博などが決まれば関西も現在の関東に似た状況を迎えるでしょう。
振り返ってみると、建築・土木の現場では7~8年も前に一度に小さくなった施工キャパの回復は未だに充分ではなく、事業所の数もそこで働く職人や技能者の数も仕事の増加ほどに劇的には増えておらず、むしろ高齢化を迎えて手練れの職人・技能者は減る一方です・・・こりゃあ大変なことになりそうです。