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鯨組主中尾家屋敷。
3日目の最初の訪問は唐津市呼子の鯨組主中尾家屋敷です。
江戸時代の中期から8代・170年にわたって鯨捕りで巨万の富を築いた中尾家。多い時には年間50頭の捕鯨、最盛期には1,000人にも及んだという従業員たちを束ねていたのが中尾家。その中心になった建物がこちらです。
入ってみると案外に質素な造り。旧高取家が建築技術や芸術の粋を尽くした緻密な造りであるのとは裏腹に、木材を太く大きくそのままに使い、骨太で分かり易い表現で出来上がっています。私はこちらの方が好みかなあ~・・・。
大黒柱は30センチを超える太さ、松梁はあまり加工されず曲がったままに適材適所に使い分けされています。癖の強い曲がりの多い松材を見事に組み上げて、今に至るまで狂いひとつない仕事には、当時の大工職の技術力の高さと心意気を感じます。旧高取家は住宅・迎賓館という使用用途。こちらは荒くれ鯨漁師の総元締めの屋敷・・・同じ木造建築でも、要求される内容が違えば表現も出来映えも違ってきます。同じ唐津市内にあって好対照であろうと思います。