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木材で造る内装は人をなごませるか?

最近では、内装面に占める木材比率(木材率)が自律神経系の整理応答や快適感などに影響を及ぼすことが明らかになりつつあります。広さや調度品を同じにして、木材率の違う部屋において血圧・心拍などを測定した実験では、木材率45%の部屋では心拍数が有意に増加し、木材率が90%の部屋では血圧が有意に低下しました。しかし、木材率が0%の部屋では生理応答に変化は見られませんでした。又、天井や壁を一面に白く仕上げた部屋と比べて、柱や梁を見えるように使った部屋では木材の視覚刺激で心拍数が増加することも確認されています。そのことから、内装に木材を加えると人に覚醒効果があることも確認できました。
別の木材率と心理的効果の調査では、木材率の増加と共に「あたたかい」あるいは「自然な」という印象が上昇することが確認されています。表は、木材率の違う室内写真を見せてその印象をアンケートしたものです。その結果、木材率の増加が「自然な」というイメージの増加につながっていることが分かります。
人は木質内装の「自然な」という視覚的イメージから「あたたかい」や「友好的」や「明るい」「静か」「快適」などの好ましい印象を受け取っているのだと思われています。