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田植えが始まる。

例年4月には串本方面で、5月には田辺地方で、6月に入ると和歌山市の近郊で田植えが始まります。同じ県でも状況が違えばこんなにくっきりと農作業の時期が違ってきます。海岸沿いに移動の多い私には季節を感じるよい目印です。体感では串本付近は和歌山近郊より冬場に大体2~3度暖かい。串本や太地などは近畿地方にはあっても、気候的には四国の南部や九州の鹿児島・宮崎などに近い感じです。毎年、季節を追いかけるように田植えを見るのは楽しいことです。
ところがこのところ大きな変化に気づいています。休耕地が多いのです。時期が来ても水の入らない田んぼが年々増えていきます。特に気になるのは串本近辺。高齢化で面倒を見る方が少なくなってきているのでしょう。稲の栽培は農家一つの単独では難しい。水路が巡るグループの誰かに不具合が起これば、そのグループ全体に問題が波及するのでしょう。
私の家族のお墓のある串本のお寺の近くの田んぼでは、とうとう集団で一斉に田植えがなくなったようです。毎年緑に染まっていた豊かな田んぼが荒れていくのはさみしいこと・・・時代の急激な変化がもうそこまで迫っています。