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読みもの
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終わった人。

友達から本を借りました。彼は必ず自分で読んで、とっても面白かったものだけ紹介してくれます。これまでにも何冊か貸してくれましたが、ハズレはありませんでした・・・という訳で、今回もとっても楽しみに読みました。
作者は内館牧子さん。この人本書くの・・・不覚にも私は、テレビで見たことのある彼女は、相撲の横綱審議会のメンバーかなんかで、評論家かジャーナリストかなんかしている方でしょう・・・ぐらいの認識しかありませんでした。失礼しました。
彼によるとまず、終わった人・・・というタイトルが面白い・・・同じ年代の我々には、必ず共感できるところがある。文庫本でも字が大きく読みやすい。対象の読者に心遣いが出来ている。何より出だしの一文、定年って生前葬だな。・・・が言い得て妙だ・・・と絶賛です。
早速読み始めると・・・断定的な物言いと共に、生々しい感情表現と言い回しでチョッと刺激が強い。その分ストレートで分かり易い・・・どんどんと引き込まれていきます。私は主人公ほどのプライドと容姿と学歴と職歴とお金を持ち合わせていないので、理解しがたい感情や行動もありますが、久し振りに登場人物が自分の頭の中で縦横に動き回る感覚を体験しました。なるほどこれは面白い。少し前には舘ひろしさん主演でドラマにもなったそうです・・・彼なら似合うかもしれない・・・などと思いながら、なら奥さんは誰だろう、娘は、そうそう気になる彼女は・・・と、どんどんと想像が膨らみます。
夜な夜な開いて、一気に読みました。少しドライな人間関係に戸惑いながら、それでも納得の(良く出来た)サンプルケースであろうと思います。自分たちもこうなるかなあ~・・・あるいは、こんなコトできるかなあ~・・・もう一花、と念じ続ける自分自身とどこかを重ねて悶々としています。