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BMW523d。
BMWから試乗の案内が来ました。なんでも映画ミッション:インポッシブルに同社のM5(5シリーズのどえらいスポーツ車)が出演したのをきっかけにしたキャンペーンなのだそうです。憧れの5シリーズに乗せてもらえる上に、映画の鑑賞券までいただけるとあっては出向かないわけにはいかない・・・というわけで、行ってきました。
そもそも、最新の5シリーズはとっても評判が良い。7シリーズと共通の剛性が高くて軽量なシャーシに新しいエンジン群・・・あまり悪く評論している記事は見当たりません。ちなみに、現在の3シリーズは一世代古いシャーシ・・・これでも充分に納得の乗り味なのですが。
乗せていただいたのはディーゼルエンジン車、523dのMスポーツ。190馬力の出力に40kgmのトルク、数字的にはなんの不足も感じません。走ってみてもその通りで、低速から力がありもりもり加速していきます。ディーゼル音は走り始めにほんの少し感じるだけで、吹き上がりも軽快です。操作系も全体に軽く、これが5メートルに迫る車体のクルマとは思えないほどスイスイと動きます。私の320iの方が重いんじゃないの・・・と思えるぐらいに軽々と動くのです。しかし、そんなに軽快なのが良いことなのかどうなのか・・・は議論の分かれるところ。車格に応じた落ち着きやしっとり感がもう少し欲しいなあ~・・・と思うのは私だけではないでしょう。落ちつきがない・・・と感じるのは、足回りがオプションでインチアップ(19インチに)されていたので、その影響もあるのかも。
驚くのはこれでもかと思うぐらいの安全装置。ちょっとした自動運転は既にそこそこ実現できているように思います。しかし、いつまでもクルマに乗りたい・・・という方々は何も、楽ちんでありたい・・・ばかりではなく、走るという行為そのものを楽しみたい・・・ということでもあるでしょう。曲がりたいときに曲がり、走りたいときに走り、止まりたいときに止まる・・・そんな一つ一つが気持ちよく出来るクルマが私は好みです。
総じて、中も外もなるほどの質感、こりゃあ私などにはもったいない・・・というぐらいの素敵なクルマでしたが、どうもエンジンとシャーシの・・・もう少し踏み込めばそもそもの開発思想に統一感が幾分薄いように感じました。上等なクルマが誰にとっても上等ではないんだ・・・と知る良い機会だったように思います。