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のぞみ園生活介護施設 外壁下地
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木質系のインシュレーションボードの上に透湿防水シートが張られています。これが外壁の防水層となります。透湿防水シートは屋外からの水の侵入を防ぎながら、壁体内の湿気は通気層に排出できるとても便利なシートです。

シートの上には通気の桟が付き始めています。この建物では外壁開口部のサッシ廻りには木製の外部枠が付きますので、通気層はこの枠が入っても充分に通気出来るだけの隙間を確保しながら施工します。木製の外部枠は、サッシが外壁から奥まらないように見込みの調整をする役目と、木の建物らしさを表現するために採用しています。
外壁の通気層を登ってきた空気は屋根面の通気層に統合されます。外壁と屋根は一体になって建物廻りの空気を屋外に排出することで湿気と温度の調整を行い、住いの快適性を保つ役目と、木部の耐久性を高める大切な役目をはたします。
屋根と壁の取り合い部分にあるスリットは、外壁の通気層が屋根の通気層につながる大事な部分です。この部分は、屋根の防水層をかいくぐって侵入した雨水の排出口でもあるので、壁の防水シートをしっかりと抑え込む形で屋根の防水シートを壁のシートの上に施工します。

外壁の一番下のヶ所には外壁通気層の空気取り入れ口があります。空気は暖かくなれば上にあがり、冷たくなれば下がってきますので、この部分は空気の排出口でもありますが、多くの場合日光に照らされる屋根面は地面に近い外壁の下端より暖かいので、ここから入った空気が建物を冷やしながら屋根の一番高いところから排出されるわけです。
この部分で注意したいのは一番下に付く防虫ネットです。これまでいろいろなものを試しましたが、ガルバリウム鋼板のこの防虫ネットが、虫も入りにくく丈夫なので、一番適しているように思います。防虫ネットを付ける時にはほんの小さな隙間にも大いに注意が必要です。

写真のような真っ直ぐなところでは問題は起こりにくいのですが、出隅や入隅のほんの小さな継ぎ目の隙間からでもネズミは侵入します。たかが防虫ネットですが、されど防虫ネットです。取付には細心の注意を払いましょう。
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