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古民家再生 大阪府堺市 左官・内装工事

内装の仕上げが次々と出来上がっていく。写真は主に既存の壁を利用して、新しく珪藻土を塗って仕上げた壁。

一般壁は珪藻土にわらを混ぜて練り、引きずり仕上げしたもの。横に刷毛目のような模様が付くので、塗り面全体に凹凸があって、厚みのある表情豊かな仕上げになる。照明が入れば暖かな光で凹凸が強調されるので、より変化を感じやすい。塗り厚も仕上げ相当に厚くなるので、調湿の性能は平らに塗ったものより高い。

全体にベージュ基調の塗り壁に愛想を添えるのがキッチンセットの横の袖壁である。外装用なので素材そのものが荒々しい。その上、土色の色合いが全体より濃くてちょうど良いワンポイントとなる。

寝室の仕上げは和紙貼り。既存天井を取り払って屋根面にそう勾配天井としたうえに、壁と天井が同じ和紙なので、全体に広く感じる。見えがかりの木部はこれから肌をきれいに整える。照明は天井面のダウンライトと、手前の壁に付けた幕板の上に仕込んだ間接照明である。どちらも調光気を付けて照度調節が出来るようにしている。特に就寝時には間接照明のみにして、光源からのあかりが目に直接入らないようにした。

玄関の床は墨モルタル金コテ押さえ仕上げである。塗ったばかりであるので、まだ水気の引いていないところは黒く、乾いてきたところは濃いグレーに見えている。全体に乾くと濃いグレーに仕上がるが、水を打つと写真のように黒くなる。状況によって表情が変わるのが面白い。玄関全体がびしっと引き締まった感じがする。

大工、左官の工事はあらかた出来上がった。今後は各設備の器具付けや、木製建具・家具の切り込み・据え付けを残すばかりとなった。