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のぞみ園生活介護施設 建て方はじまる

基礎コンクリートの強度確認も終わって、建て方が始まっています。1週間ほど前から土台・大引き・パネル受けなどを建て込み、その上に床パネルを先行して敷き込み、足元の安全を優先しています。

クレーンが入ったのは、御覧のように気持ちよく晴れ渡った秋空の日。クレーンを必要とする太く長い通し柱と梁類を建て込んでいきます。一般の柱類はクレーンが入る前にすでに人力で建て込んでいます。

木材(構造材)の加工は、基本的に機械(プレカット)によるものですが、多くの木材が表面に見えるあらわしの仕上げでは、基本架構(機械加工)を上回るぐらいのボリュームの手加工が必要です。

機械加工を終えた木材を必要に応じて取り出して、大工が柱・梁の各部の細かな作業を手仕事で1本1本仕上げていきます。木材あらわしの仕事は、金物も特殊なものが多く、柱や梁が屋外・室内ともに見えていない木造住宅と比べると、加工ははるかに難しく、手間のかかるものです。

まだ上棟までには3日以上かかるとのことなので、屋根の一番高いところにある棟木が上がるのはもう少し先のことになります。

現場に仮置きしている太い通し柱の断面が見えていました。この機会に木材の良し悪しについて少し解説しておきます。一般に木材は年輪の間隔が細かいものが良質材と呼ばれ強度も高いものが多いです。育てるのに年月も手間も多くかかりますから価格もそれなりに高くなります。年輪の中心が材の真ん中にあるのは木が真っ直ぐに伸びている証拠。こういった木は後の曲がりや狂いが少ないといわれます。柱には(特に化粧となる柱には)思わぬところにひび割れが入らないように計画的に鋸目(背割り)を入れます。写真の柱のように背割りが大きく開いているのは良く乾いた材である(含水率が低い)ということです。

この建物に使用されている木材は、柱・梁などの主要構造材以外の羽柄・造作材まで、いずれも目込みの良材が多く、色味も紀州材独特の薄ピンクのものが揃っていました。