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堺市に木の家が建ちました。

大阪府堺市に新しく木の家が建ち、秋の良き日に無事に引き渡しが完了しました。

建て主は30代のご夫婦、子供さんが二人の4人家族。以前から木の家にはご興味を持たれていたようで、龍神のGワークスに置かれていた当社のパンフレットで中村設計を見つけてくださったのだそうです。

・畑仕事の帰りに立ち寄っていっぷくできる空間のある家。
・山小屋のような、自然と一体ののびやかな家。
・実用的でかつゆとりのある空間をもち、使い続けることで味わいの出てくる家・・・これが最初に建て主からいただいた、このお家の家づくりのコンセプトです。

ご提案したのは、木の家らしく焼き杉板と土塗り壁を意識した外観で、玄関ホールや廊下を持たない合理的でのびのびとした暮らしがイメージできるプラン。

大きな玄関土間には薪ストーブを据えて、居間の一角としても活躍できる空間としました。庭と室内はここでつながり、空間の広がりも体感できる間取り構成です。

室内の仕上げは主に木と土と紙。断熱性・蓄熱性・調湿性に優れた天然素材は機械依存を最小限に抑え、暑い日も寒い日も湿気る日にもそれぞれの特性をいかんなく発揮して快適生活を助けてくれます。

収納や押し入れの中は特に調湿・断熱性に優れる杉板張り。徹底的に新建材の採用を避けて、化学物質の発散や狭いところでのカビの発生を抑えます。

建具や造り付けの家具類は柱・梁などの構造材とともに紀州龍神産の杉・桧で製作しました。素直で目込みで丈夫な龍神材は建具や家具の材料としてもすぐれています。世界にひとつだけ、この住まい・このご家族だけのために吟味されて造り込まれた木製建具や造り付けの家具類は、中まで完全に無垢材で造られているために嫌な臭いひとつしないうえに、建物本体との調和もよく、丈夫で長持ち。長くご家族を支えてくれることでしょう。

2階の南向きと東向きの窓の外にはベランダを据え付けて掃き出し窓を付けました。とかく窓が小くなりがちな2階ですが、掃き出し窓があるとないでは解放感や使い勝手に大きな差が出ます。

建物のあちこちに掃き出しの大開口をとっているからといって外皮性能(断熱性能)や耐震・耐風性能をおろそかにしている訳ではありません。小さな窓しか付けないで、見かけ上の性能を誇る建物よりも、四季のある日本で暮らしやすい大開口を実現しながら、それらの性能をしっかり確保することの方がずっと大切です。

引き渡しが出来てからひと月ほどの時間が経ちました。住まい手からは、最近薪ストーブに火が入った。気持ちよく過ごしています。・・・と連絡をいただきました。ありがとうございます。住まいは生き物。これからいろいろなことが起こるかもしれませんが、末永くお付き合いください。