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設計の軌跡~2:外観~
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府中の家を例に、住宅を新築する場合の設計の進め方をおおまかに追っていくシリーズです。
前回は、プランをつくりました(前回の記事はコチラ)。
2本目は外観デザインについて。
第二段階
【外観デザインを考える】
プランが確定し、建物のおおよその構造やおおよその姿がさだまると、外観の細かなデザインの調整に入ります。府中の家場合は、屋根のカタチだけでも5つ以上のパースを検討しました。同じ切妻屋根でも、1枚の面として統合する範囲の選択、屋根の角の処理の在り方などで、印象がガラリと変わったりします。
屋根のデザインは見た目の良さもさることながら、雨音の響き方や漏水のリスク、台風のときの風の影響の受け方などにも関わりがあります。そして少しの工夫で、工事費もけっこうかわります。
軒の差し掛け方や深さは、日射の制御という重要な機能を担ってもいます。
中村設計では、その敷地の場合その建物の場合の日の当たり方を365日24時間シミュレーションしています。
寒い冬の高度が低い太陽の光は、貴重な熱源として取り入れる。
暑い夏の高高度からの直射日光は、深い軒の出でしっかりとさえぎる・・・・・・など、明確な目的を設定し、それが果たせるカタチにデザインを成り立たせていきます。
外観は直接外の風雨や日射をうける部分です。屋内よりも消耗が激しいため、長い年月のメンテナンスのし易さは重要です。たとえばデッキなど家の本体より寿命が著しく短い部分は、本体と切り離して簡単に取り替えできるよう計画したりしています。
周囲をとりまく環境やご近所の方々・道を通る人々との関係性、町並みの一部としての公共性も、外観デザインの大切な一面です。
<外観の考え方に興味のある方はコチラ:『府中の家 外構工事と植栽工事』記事>
外観と内部のプランは、まったく別々にかんがえることがむずかしいので、好みのカタチやデザインがある場合は、プランの最初に設計者に伝えると進捗がスムーズです。
中村設計の木の家の安全や快適さなど各種性能を担保する部分は、通気層までで完結しています。外壁のデザインや仕上げ材は、幅広い選択肢から自由に選ぶことができます。
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