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よくできた木組みは財産だ!

来年の春には建築基準法が改正されて、既存建物の増改築や古民家の再生が難しくなりそうです。そんなこともあってか、いま中村設計では増改築・再生の仕事が多くなっています。
増改築や再生の仕事に欠かせないのが建物調査。これがしっかりできていないと新しい計画も絵に描いた餅になりかねません。中でも重要になるのは屋根裏の梁組の調査。梁組が分からないと、取れる柱と取れない柱の区別が出来ず現実的な間取りの変更が見通せません。
そんな訳で今日も屋根裏に上ります。このお家なんかはお手本のようなきれいな梁組。大きな牛木に両方から掛かる小屋丸太。この梁組を支えるのは大黒・小黒をはじめとする理屈通りに入った柱たち。それにしても曲がりくねった丸太たちをよくもこんなに見事に組み上げたものです。日本が誇る大工職人の技の冴えに感心します。
これまでの多くの改装や再生は基本構造を隠すことに一生懸命だったように感じます。しかし、私の改装・再生はその逆。このお家の財産でもある素晴らしい木組みをあらわしで見せて、ダイナミックな空間を創り出すことに力を注ぎます。
さて、どんな出来になるかは半年後のお楽しみ。