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埋門ノ館(うずめもんのやかた)。

旧高取邸に向かう道すがらに位置するのが埋門ノ館です。
構えといい風情といい、てっきり歴史的な建造物かと思いきやさにあらず。唐津市が、地域の職人の間からしっかりとした木造建築を造る技術の継承が出来なくなるのはさみしい・・・として建築を決めた、公民館のような用途のれっきとした新築建物らしいです。エライ!その心意気や良し!公共というのはこのぐらいの知見と気迫がなければ市民を導けない。たとえ少しぐらい金が掛かっても、それを許す住民もたいしたものです。
すぐ近くの高取邸などと比べると、木の吟味が足りませんし技も切れていません。板戸絵などもどこか偽物感が漂います。能舞台下に仕込んだという6つの坪の音響効果も今ひとつ判然としません・・・しかし、何もしないで手をこまねいているばかりでは、いつまで経っても差は縮まりません。自分たちの手で次の世代に受け継げる建築物を造っていこうと挑戦している方々には、その栄光を手にする資格があります。
ここにもちゃんとしたガイドさんが居ました。市の職員待遇の学芸員さんらしいです。歴史建造物をしっかりと残して、市民の教養の醸成に資する。あるいは観光資産として活用する。そのための経費は必要経費である・・・このぐらいの活動をどこの市町村でもして欲しいものです。