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ヒノキの匂いで睡眠の質は良くなるか
OBの皆さんからお話しを伺っていると、OBの皆さんの家を訪れた方々からは『木の匂いが良い!』と言われることが多い、、、とのことです。
言われた方はずっと住んでいるので、
『ほんとにそんなに木の匂いする?』
と、そこら中をくんくんと嗅ぎまわることもあるとか。
Mo-kuが出来てから既に8年ほど建ちますが、未だにMo-kuを訪問された方々には口々に『木の匂いが良い!』と行って頂く事が多いです。
そんな木材の匂いの効能について興味深い論文を見つけたのでご紹介します。
木質化率の異なる部屋で寝てもらう
用意した部屋は3種類
木質化率の異なる3種類(0%、45%、100%)の部屋を準備して実験を実施。実験時にそれぞれの部屋に置けるヒノキの香り成分であるαピネン濃度を計測したところ、木質化率0%のケースと比較して、45%及び100%の部屋ではαピネン濃度が約300 (ug/m3)高かった。
αピネン濃度が高いとどうなるの?
αピネン濃度が高くなると、室内のヒノキの香りが強くなるということじゃな。
なるほど。でも、なんで45%の部屋と100%の部屋で同じ濃度なの?
推測するに、室内の木材の面積が一定以上であれば、空気中のヒノキの香り成分の濃度は変わらないってことじゃろう。
実験方法
男子大学生7名に統一した食事及び入浴をしてもらい、用意した木質化率の異なる部屋において23時から翌7時までの睡眠状態を測定。
実験期間中の日中(9時~18時)は自由行動としたが、激しい運動やカフェインの摂取、昼寝、飲酒は禁止。
結果
実験の結果がこちらです。
睡眠の量
睡眠の量については木質化率0%のケースと比較して、木質化率45%、100%のケースでは深睡眠時間が14分(13%)増加。
睡眠の質
リラックス状態の指標として覚醒状態を表す交感神経活性度(LH/HF)を用いて観察を行ったところ、木質化率45%、及び100%の部屋の方が睡眠中により低い値を示した。(リラックス状態では交感神経活性度(LH/HF)が低くなる。)
ヒノキの匂いで睡眠の質だけでなく量も改善される。
これらの結果から、ヒノキの匂いによって睡眠の質だけでなく、量についても改善される可能性が示唆されています。また、木質化率45%の部屋と100%の部屋の間で大きな違いが見られなかったことから、睡眠の量及び質の改善に必要なヒノキの香り成分(αピネン)の濃度をもたらす部屋の木質化率は45%以上あればよい。という事になります。
部屋の木質化率が上がったことで、ヒノキの代表的な香り成分であるαピネン濃度が上昇して、睡眠の質及び量の両方が改善された。ということじゃな。
でも、内装を木質化したのに、なんで香り成分だけに焦点をあててるの?
部屋の印象とかの影響もあるんじゃないの?
まぁ確かにそう思うのも無理はないが、人間って寝てるときは大体、目を閉じてるでしょ。
だから、香り成分による影響について言及してるんじゃないかな。
同じ内装の部屋でヒノキの精油の有無及び濃度による睡眠への影響についても検証してほしいのう。
博士。オレの小屋もヒノキにしてくれよ。
最近、マジで眠れねえんだ。
・・・・・・・・・・・(いやいや、きみはどこでもめっちゃ寝てるじゃん。)
参考文献
西村三香子, et al. “睡眠の質と日中の知的生産性を高める住宅内装木質化率に関する被験者実験.” 空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集 平成 28 年度大会 (鹿児島) 学術講演論文集 第 6 巻 温熱環境評価 編. 公益社団法人 空気調和・衛生工学会, 2016.