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古民家再生~印南~
建物解説
代々の古民家を、3代目が住み継ぐ。
きれいに整理された資料を大いに参考にさせていただきながらの設計作業になりました。
足元は石場建てで、鉄筋コンクリート造の基礎はありませんでした。だからといって、危険な建物と断を下すのは早計です。これまで幾度もあったであろう地震や台風を生き残っている以上、伝統構法は歴史が安全性を検証してきた建物であるとも言えます。
古民家のよいところは、風通しのよいところです。ただし、住まい手には厳しい。それがために塞がれていた床下の通風を可能な限り再現して、代わりに床板の直下で徹底的に断熱しました。壁土は調湿・蓄熱の環境には重要な要素です。できる限り残して、断熱層は壁土の外側に施工しました。これらの工夫で現在に要求される断熱・気密の性能を確保します。
古民家は世代を超えて住み継ぐことのできる優れた構造体を持っていることが多いです。時代時代に思い思いの手を加えられながら、さらに家族のアイデンティティを継いでいってくれることでしょう。