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高砂の家
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住まい手インタビュー
客人の以外に高い木への関心
子供がしみじみ「この家いいなぁ」なんて言います。雨でも存分に家の中で遊べるからでしょうか。大きな窓からさんさんと日がそそいで、明るく気持ちいいです。「木の良い香り」って来る人来る人、言ってくれます。詳しい人は割れを見て「ああ、天然乾燥の木を使われてるんやねぇ」って言ってくれたり。この辺りでは天然乾燥の木で建てたかったけど、できなかった人も結構いるみたい。柱と梁の所にある出っぱりを「これってホゾ(込み栓)だよね。本物の木組みの家なんだね」って言ってくれた人もいました。

▲柱と梁の接合に用いられた込み栓。伝統的な接合方法で、近年では実験により一定の引抜耐力があることがわかっている。
ホゾ(込み栓)は思わぬ大活躍をしました!時計を掛けられた。壁に釘を打ちたくないし、どうしようか・・・ん?ホゾ(込み栓)がちょうどいいんじゃない!?って気付いて!突起へ時計のフックが丁度良く引っかかりました。
本物の木の家をさがして
木の家は、私(奥さん)の希望です。実家が木造で、祖父母が材木関係の仕事をしていたので、影響を強く受けていたんだろうと思います。住宅街の真ん中なら「木の家」にここまでこだわらなかったかもしれませんが、たまたま先に決まっていたこの土地が里山のロケーションでしたし、尚のこと木の家の方が住みやすいんじゃないか・・・とも思って。

▲敷地は田畑と山に囲まれた里山のロケーション。
業者さん探しは難航しました。とにかく展示場へ行き・・・本も読んで・・・・。いくつも見た中で「木の家」らしいかな・・・という、大手ではないメーカーの家になんとか辿り着きました。木造で無垢のフローリングを張ったりはしてたんですが、話を聞き進める内「山へ自分たちで大黒柱を選びに行こう!」という目玉のセールスポイントに・・・・私、違和感を感じてしまったんです。両親や祖父母から聞いていた話とあまりに時間感覚が違った。木は時間をかけて乾かすものだと聞いて育ったから。「え。どうしてそんな事できるんですか」って聞いたら「いやぁ人工乾燥なんで、すぐなんです」って。最後の詰めまで、ちゃんとした木にこだわることはできないんだ・・・とガッカリしてしまって。両親に話すと「和歌山の中村先生が天然乾燥でしていらっしゃる」と教えてもらい、Mo-ku を訪ねるきっかけになりました。遠方の高砂で建ててもらえるかな・・・って距離が心配でしたが、ひきうけてもらえて良かった。住んでみて「選んだ木ですぐ家を建てよう」への違和感を無視せず、本物にこだわって本当に良かったと実感してます。
僕(ご主人)は技術畑の人間なので、最新のものでいいんじゃない?って思ってたんですが。妻に切々と昔ながらのものの良さを説得されまして(笑)。結果的に清々しい暮らしができて、大正解でしたね。
夢の可動式書架と書斎
書庫は大好きな場所!可動式書架ならではの大容量収蔵と、収納場所の区分ができています。木製本棚を動かして寄せられるので、本の出し入れの空間をフレキシブルに取れます。元司書でして、プライベートでも分類ごとのラベルを貼って、図書館みたいに整然と本を収めたかった。夢が叶いました。
- ▲リビング横の書庫。本の収蔵量を増やすため、可動式の書架を採用しています。
- ▲手すりと本棚を兼ねた階段横の本棚手すり。
当初は特別な空間になってしまい日常的に使わないんじゃないか・・・とも危惧しました。でも、実際にはしっかり生活に馴染んで重宝してます。子供のゾーンには、本の他にリビングで使う折紙やオモチャも収納しています。自然と本を選びに行くのが娘の習慣になりました。あと・・・この奥に、まだ主人の趣味の書斎があるって、ほとんどの人が気づきません。通称「庵」と呼ばれています(ご主人 笑)。書斎からもリビングからも、本に吸収されて、音が通らないんです。おかげで中でゆっくり過ごせています。
オリジナルの馴染み良さ
造りつけキッチンの使い易さは最高です。引出しが深く、奥までたっぷり収納できる。コンロ下のオープンな棚へ置く鍋類は、扉の開け閉めなくダイレクトに取り出せます。食洗機の扉には板を貼り合わせてくれて、周りの木の雰囲気に溶けこみました。包丁ストックが、特にお気に入り!奥行きを活かした二連で、手前はよく使う包丁。普段使わない刺身包丁は奥に。使う順番に手前から置けて、取り出しやすく気楽に使えます。専用包丁を使う機会が増えました。既成のキッチンで同じだけかけるなら、使い易いオリジナルを造るのが良いんじゃないかなぁ。沢山シミュレーションした甲斐はありました。

▲リビングからみたキッチンの様子。
リビングでテーブルに腰掛けると、ちょうど視線の高さにキッチンの小窓があります。山の景色がよく見える。春には山桜が一面に咲くので、今から楽しみなんです。周りの畑に秋はコスモスも咲きますし、家中の窓から季節の風景を眺められるのが嬉しい。実家(ご主人の)もこの近くですが、この家に住みはじめて「あ。いつもの二羽のカラスがまた来てる」とか、そういった事に自然と気が向くようになりました。いろんな鳥が飛んでくるんですよ。
▽リビング・キッチンの正面に、別棟の和室。中庭を仲立ちにさりげなく互いの様子もわかる・・・そんな間取りです。庭造りには、これからじっくり取り組まれるそう。陽射しと安らぎの緑を届けてくれる素敵な場所になりそうです。
(インタビュアー:中村祐子)
建物データ
- 所在
- 兵庫県高砂市
- 竣工
- 平成28年10月
- 構造・規模
- 木造2階建 / 民家型構法
- 主要用途
- 専用住宅
- 敷地面積
- 480㎡(145坪)
- 建築面積
- 144㎡(43坪)
- 延床面積
- 186㎡(56坪)
- 床面積
- 1階 / 124㎡(37坪) 2階 / 62㎡(19坪)