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水平線を望む家
建物解説
太平洋とフェニックスの木
目の前に太平洋が広がる立地と、建て主が子どもの頃に植えたフェニックス。この素晴らしい眺望と思い出深い木を生かし、時には別荘としての非日常も満喫できる住まいを、という依頼でした。そこで、大人数が集まるパブリックな空間と寝室などのプライベートな空間を廊下を挟んで明確に分離。どこからでも海を見ながら暮らせるプランをご提案しました。
環境と建築を一体に感じる
緑豊かな敷地環境と建物が一体となり、住まう人を包み込むような心地よさを実現するために、建物の材料は主に自然素材を採用しています。天然乾燥の無垢の木や石、珪藻土などの素材の良さを各所に生かし、懐かしい手触りや質感を感じる家のそれぞれの場所で、周辺の豊かな環境の端緒を感じられるような建物となるよう配慮しました。
美しい木架構の実現
また、「水平線を望む家」では、日本の伝統美である柱と梁で構成された大空間を、十分な強度を確保しながら実現することが出来ました。床と屋根の剛性を高めるとともに、綿密な構造計算を行うことで、柱と柱の間の間隔を広く開ける構造を可能にしています。
計画段階、施工段階において幾度となく現場監督や職人と対話を重ねな がら現場を進めました。上棟時には見事な架構が組み上がりました。青空と太平洋を背景に組み上がった架構は非常に美しく、建築の持つ可能性を再認識することができました。
水平線に浮かぶリビング
大海原の水平線を体感できるよう、リビングは開口部が連なるオープンなつくりに。中間の大きな開口部には、窓を閉めたときにはガラス面しか見えないよう、窓枠が隠れる引き込み窓を造作。コーナーをぐるりと巡る大きな窓は、開け放てば4間が海に向かって解放され、家の中にいながら180度の水平線を見晴らす事が出来ます。
深い軒の出は、日射の厳しい海辺では欠かせない配慮。直射日光を遮り、穏やかな日差しを届けてくれます。
大きな開放感に包まれる安らぎの住まいとなりました。
場の持つ力
建物にとって『場の持つ力』はとても重要です。どこに立っていても成立する建物では無く、その場所ならではの建物にすることで、建物だけでは創造できない存在価値を表現することが出来ます。今後も場の持つ力を感じ取り、素材の特性や持ち味を生かしながら、住まい手が自分らしく住まうことの出来る住宅を提案していきます。
建物データ
- 所在
- 和歌山県西牟婁郡
- 竣工
- 平成27年3月
- 構造・規模
- 木造平屋建 / 民家型構法
- 主要用途
- 専用住宅
- 敷地面積
- 1665㎡(500坪)
- 建築面積
- 166㎡(50坪)
- 延床面積
- 145㎡(45坪)
- 床面積
- 145㎡(45坪)