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私たちの仕事
Works

屋根下空間を楽しむ家

住まい手インタビュー


○スタートしたタイミング

息子の小学校入学を機に主人の実家近くに家を構えるため、平成二四年の年明けから、家づくりを真剣に考え始めました。
中村さんと出会ったのは、その年の春先『居間が二階にある住まい』の完成見学会でした。子供はロフトに大喜び、主人は窓が大きいことに驚いたようです。私(奥さん)は、少々無垢の木の迫力に圧倒されました。雨上がりで薄暗い天気の日だったので、存在感がすごかったんです。

○本物の木の家を探して

当初から「住むなら木の家」という思いがあり、ハウスメーカーさんは回らず、“木の家”を建てている工務店さん・設計士さんを訪ねました。でも「素材づかいにメリハリをつけて」という説明で人目につきにくい部分では合板を使っていたり、壁にビニールクロスが貼られていたり…「なにかちょっと違うなぁ」と、早い段階で中村さんにお願いしようと

決めました。手掛けた作品を見せてもらいながら、自分たちの家の像を固めていきました。

コンセプトをお伝えし、はじめてプランを提案していただいた時、考えていた以上に素敵な家で「これがいいです!これでお願いします」とお返事させてもらいました。実際に、以降は勝手口を変更しただけです。ベースが固まり、詳細の検討に入っていきました。

○夢と信念と、話し合い

家づくりには、予算や、その他いろいろな制約がつきものですよね。希望すべてを盛り込むのは難しいんじゃないでしょうか。「いいなぁ」と思っても、自分たちに本当に必要な物と、そうじゃない物もありますし。だからこそ、家族でたくさん話し合って、夢と信念をもって取り組む事が、大事だと思います。

打ち合わせでは話がまとまらず、納得のいく結論がでるまで保留したこともありました。

一つ目は、主人VS私(奥さん)。壁の仕上げです。和紙貼りにするか塗り壁にするか…予算の関係もあり「ぱっと見たら和紙も塗り壁も一緒や」という主人に、「見た目の問題ではない」という私。モークで開催された塗り壁のイベントで実験などを見て、私は塗り壁の調湿性能に、いたく感銘を受けていました。軍配は私にあがりました。二つ目は、中村さんVS主人で、リビング北側の窓を掃き出し窓にするか腰窓にするかです。主人は「北側に開口部が大きいと、冬は寒いし、お隣もあるので…」と腰窓を希望していましたが、中村さんは「腰窓と掃き出し窓では開放感が全然違う」とおっしゃいました。軍配は中村さんにあがり、掃き出し窓で型板ガラス(半透明)にしました。住んでみて、掃き出し窓にしてよかったと思っています。朝は北側からお日様が入り、もちろん開放感も言う事なしです。型板ガラスなので、窓を締めきっていても目線を遮りつつ明るいし、カーテンを全開できます。

○工事中の思い出

大工さん・職人さんはとても丁寧に仕事をしてくださり、主人は時折、大工さんとお話をしたり、切れ板をもらって帰っては喜んでいました。基礎工事の段階では想像もつきませんでしたが、コツコツの手作業の積み重ねが、こんなに大きく立派な家になるんだと改めて感謝しています。

工事現場を通りかかった高齢の男性が「この家はホンマに立派な木をつこてる。ここを通るのを楽しみにしてるんや」と話しかけてくれ、すごくほっこりした気持ちになったこともありました。

○二階建て。気分は平屋暮らし

新しい家は、毎日気持ち良いです。一戸建ての新築に住むという以上のものを得たように思います。
陽の差し込み方、風の通り方で四季を感じ、梁の木の割れる音で空気の乾燥を実感します。家族そろって庭の手入れや家庭菜園に励んでいます。
一階はスギの床板にしました。キズはつきますが、年中お風呂上がりの素足に柔らかい足触りが気持ちいいです。

二階は大きな吹き抜けがあり開放的。二室あるうち、壁で区切った完全な個室は一室だけなので、もう一室は吹き抜けや一階ともつながりを感じられる空間となっています。子供のお友達が遊びにくると、一階と二階から、吹き抜けでキャッチボールをします。収納も多く、ぐるぐる回れる動線ができているので、我が家はかくれんぼにも、もってこいです。エアコンは、いらなかったかもしれません。運転したのは、夏に一度だけです。

本当にどこにいても、家族がどこで何をしているかわかるし、あらわしの傾斜天井が見えていて…二階建てでありながら、平屋のワンフロアーな感じが、すごくゆったりしています。

○ちくねっちゃん、大活躍!

冬場の暖房は蓄熱暖房機(我が家の愛称“ちくねっちゃん”)です。正直、このちくねっちゃんだけでは…とも思いましたが、実際はまったく問題なく過ごせています。操作はタイマーをセットするだけ。目が覚めるとすでに暖かく、寒い日でもさっと起きることができます。静かなのもいいですね。ちくねっちゃんにもたれて本を読むのが、息子のお気に入りスタイルです。

△リビングに設置された蓄熱暖房機。

○ONLY ONEの家

私達は、家族三人一つ屋根の下でお互いを感じながら暮らせる家を希望していました。もっと家族が多ければ、二世帯住宅なら、建築があと五年後だったら…また違った形だったかもしれません。この家は今の私達だからこその形であり、ONLY ONEの家だと思っています。関わってくれた方々との出会いに感謝し、この家で、おだやかな毎日を過ごしていけたらと思っています。