本文までスキップする

私たちの仕事
Works

かぜのこ保育園

カテゴリ
タグ

変化に富んだ空間体験ができる園舎


5つのポイント

安心と安全
園児の安全を第一に考え、職員室から充分目配りの利くところに出入り口を計画しました。
厨房などのサービス動線は園児達の活動ゾーンと交わらないようにしています。
また、木や土、紙などの自然素材で創り上げた園舎は園児たちの心と体をやさしく包んでくれます。

大きなホールを中心にした、機能的でフレキシブルな空間構成
園舎の中心にコミュニケーション広場(ホール)を設けました。
互いの情報を共有しながら、多彩な活動の可能性を生み、園児や保育士、保護者を含めた集いの場となるでしょう。

変化に富んだ空間体験が情緒豊かな子供を育てる
大きく開け放たれた空間、縦横にはしる骨太の木材、窓の外に広がる木製デッキ、大きな中央ホールとそこにつながる園庭……変化に富んだ空間の中で木や土に親しみながら子供達の豊かな情緒を育てましょう。

省エネで人に優しい木造園舎
木には人を癒す以外にも湿気や熱を蓄える性質があります。木や土や紙などの自然素材の力と、陽差しを制御し風の通り道を確保することで自然の力を総動員し、機械依存の少ない園舎を造りましょう。

環境貢献しながら、経済的に仕上げる
木造建築の良いところは住まい心地だけでなく、二酸化炭素の固定化に貢献し、緑環境の保護にも直接役立つところです。また、高価だと思われている無垢材を使った木造建築も充分なノウハウがあれば、鉄骨造やコンクリート造よりも建築費が手頃に収まるのが現実です。

本物に囲まれて過ごす保育室

保育室は、保育士の先生方から具体的な要望をヒアリングしつつ、過ごすお子さんの年齢に合わせて、それぞれに必要な機能を備えました。
ゼロ歳児のお子さん方が過ごす部屋をのぞいた、全ての部屋から直接、中央の大ホールへも、外部のデッキへもアクセスすることができます。
年中さん・年長さんのそれぞれ2室は、普段はオリジナルの木製建具で完全な個室として過ごせ、2組が協同で何かをする時間には、木製建具を開いて広いワンフロアを作れます。
 

 

元気あふれる竣工式

保育室は、保育士の先生方から具体的な要望をヒアリングしつつ、過ごすお子さんの年齢に合わせて、それぞれに必要な機能を備えました。
ゼロ歳児のお子さん方が過ごす部屋をのぞいた、全ての部屋から直接、中央の大ホールへも、外部のデッキへもアクセスすることができます。
年中さん・年長さんのそれぞれ2室は、普段はオリジナルの木製建具で完全な個室として過ごせ、2組が協同で何かをする時間には、木製建具を開いて広いワンフロアを作れます。

 

 

設計にあたって

保育所や幼稚園の建物というと、「子どもの国」の様なものをイメージするのか、おとぎ話に出てくるようなものが多く見られます。子ども達の情緒の育成には大いに気を配るべきですが、園舎までテーマパーク風である必要はありません。
まず、安全で安心な自然素材で造ること、のびのびと過ごせるフレキシブルに使える大空間があること、園児達の情緒を育てる変化に富んだ空間体験が出来る建物であること、そして省エネや環境貢献を意識しながら経済的に造ること・・・そのために木造園舎は大きな力になります。
幸いにも敷地の近くにはまだ緑が残っていました。
子ども達に自然の大切さを教え、人間も自然の一部なのだということを、体験を通じて伝えるチャンスがそこにあるのです。
この環境と共存し、地域に親しまれながら森の緑と一体になってより深い学びを生むような、紀州材と自然素材で造り上げた木の園舎を設計しました。

写真はファーストプランをカタチとした最初の模型。
こちらをベースに、大きな施設の全体イメージを共有しつつ、先生方との打ち合わせを重ねて完成したのが現在の園舎です。
代々の子ども達の歴史を床や壁に残しながら、いつまでもしっかりと、そしてやさしくこの子達を包んでいてくれるよう願っています。

 

建物データ
所在
和歌山県和歌山市
竣工
2013年11月
構造・規模
木造2階建 / 民家型構法
主要用途
保育所(児童福祉施設)
敷地面積
1322㎡(400坪)
建築面積
690㎡(209坪)
延床面積
673㎡(204坪)
床面積
1階 / 598㎡(181坪) 2階 / 75㎡(23坪)