府中の家ができるまでProcess
【♯33】珪藻土の壁・左官による壁塗り
完成へ向けて、現場では内壁を珪藻土で塗り上げました
珪藻土は珪藻という植物プランクトンの殻が海や湖の底にたまって出来た堆積物です
非常に多孔質な材料として知られています
1グラムあたり、表面積が20㎡あるそうです
無数の孔が空いていることにより、表面積が非常に大きくなり、空気とふれる部分が増えます
この広い表面積で、空気や水分、ニオイの元となる物質をキャッチすることによって、高い調湿性能や消臭性・耐火性を発揮します
府中の家では、LDKとタタミ間の壁を珪藻土で塗り上げました
土の柔らかな風合いと手仕事ならではの自由さを生かすために、角は丸くしあげ、塗りあとをあえて残してラフな仕上げを心がけています
珪藻土には、スサ(繊維質のつなぎ材)や寒水(小さく砕いた大理石)を配合してあります
こうすることで、見た目の変化により豊かな広がりを与えるとともに、機能面でも多くのメリットが生まれます
左官仕事は、土などに水やつなぎの材を配合して塗り上げる仕事です
塗るときには含まれていた水分が、乾かすことで失われる際に体積が減り、それがひび割れとして完成時に現れることは自然現象ともいえます
このひび割れを、スサを混ぜ込むことでやわらげ強度を増す働きがあります
また、施工中は繊維材の保水性により乾きが緩やかになることで、猶予がうまれ施工性も増します
寒水は熱を蓄える性質があります
府中の家ではLDKに薪ストーブを据えるので、薪を燃やして発生した熱を、壁がよりよく保温することができれば、冬場にほこほこと暖かに過ごすことができます
配合や塗り方によって、性能やデザイン性をカスタマイズできるのも、塗り壁のおもしろさかもしれません
現場では、完成へ向けて更に工事が進みます
今月末の2023年3月は、現地を一般公開いたします
皆さんぜひ、ご見学にお越しください
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