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オリジナルの木製洗面台

中村伸吾建築設計室・木の家工房Mo-Ku(モーク)では、玄関や部屋の扉、本棚・食器棚、カウンター机や下駄箱をはじめとした家具なども、暮らしのシュミレーションを重ねつつ、設計段階から一緒にプランしてゆきます。
オリジナルで造りつける場合には、ゼロからつくりだしてゆく物ですので、ご家族の使い勝手を反映した多様な仕上がりとなります。
(お気に入りの家具をすでにお持ちの場合などでは、その家具がキレイに収まるよう計画しています。)
今回は造りつける場合のオリジナル木製作品の中から、“洗面台”にスポットライトを当ててみます。

 

オリジナル洗面台のいろいろ


木製の洗面台

木の家の雰囲気に自然となじむ、あたたかみ

▽木製天板のメンテ
ポイントはカラッと乾く時間をつくること。
お酒の樽や枡、浴槽なども昔から木製で作るくらいですので、多少の水ハネは問題ありません。
美観上、はねた水を長時間そのままにしておくとシミになったり色褪せたりはします。蜜蝋ワックスを小マメに塗布して落ちた水は弾くよう備えておけば、それも軽減できます。
水滴が落ちること自体にあまり問題はないので、落ちた水は拭き取りながら使います。
シートなどを伏せてしまうと水ハネは防げますが、中が蒸されて木が傷みますので、空気にふれて乾くことのできるオープンな状態で、ラフに使うことが木製天板と付き合うコツです。

 

タイル貼りの洗面台

彩りの楽しみと、手軽な手入れ

▽タイルのメンテ
色合いが可愛いタイル。「水ハネが気にならないから」「丈夫だから」という人気も高いです。
ところが、水ハネについてはやはり濡れたら拭き取るよう使っていただくのが安心です。
タイルの表面は加工さえあれば水をはじくのですが、目地は水分を通します。一見わかりにくい水濡れが長い期間そのままで放置されると、保全上よくありません。
ただ、ボトル底の水ジミなどは残りにくく、上で物を擦っても傷みが目立ちにくい強度は魅力。
性質を理解し、乾く時間をつくるよう心がけながら使っていきましょう。

 

横幅が広い洗面台

スペースを広げ、幅広い用途に活用する

▽水が使える場所として楽しみを広げる
オリジナルの造りつけでは、自由な発想でいろんな事が実現できます。
一人づつ使うだけでなく、多人数で一度に用を済ませたい。小さな子供からお年をめした家族まで、幅広い年齢のメンバーで一緒に使いたい。
ストイックに手洗い洗面のためだけに使うのではなく、水が出せる場所としてもっと多彩な楽しみの基地としたい……など、用途に合わせて素材や造りを考え、使うご家族それぞれに合った洗面スペースを設計します。

 

シンクのいろいろ

シンクの在り方も多彩です。
実用性やメンテのしやすさを重視したもの、オシャレな雰囲気を味わうもの……目的に合うのはどんなシンクでしょう。
上記写真の他に、最近は人工大理石など樹脂製の、天板とシンク部分が一体成形となった物も人気です。蛇口の根元までがシンク素材で立ち上がってくるので、全体を丸洗いする掃除が可能です。

 

どんな場所へ設置している?

洗面台の設置場所は、結構いろいろとあります。
浴室・脱衣室などと隣接する場合。キッチン・リビングなどの近く。寝室付近。農作業や庭いじり、スポーツなど野外活動が盛んな住まいでは、出入り口付近のケースも。水槽の世話や、専用のメイク室、生け花など何か特定の作業もこなしたい場合には、また違った配置もありえます。
こちらは木製の造りつけではありませんが、土のついた作物の運び込みやアウトドアグッズの手入れ、生ものの処理など、もっぱら野外での使用が想定される場合にはステンレス製の外部流しを設置することもあります。

生活スタイルをふり返り家族のニーズを洗い出しながら、住まい全体の動線の脈絡の中で配置できると、使いやすい洗面台となります。

オリジナルで洗面台をつくる良さ

味わい深く無垢の木の雰囲気に馴染む見た目という、デザイン性の良さは一つの特徴です。
設置場所や使用目的に合わせて自由にプランできるので、使い勝手の良いものが出来上がります。
単体で完結したものとして考えることもできますが、設置場所の周囲の環境と繋がりがある形で計画できれば、用途が広がりいろんな場面で活用できます。