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坪単価は家づくりの参考になるのか?

『坪単価〇〇万のお家!』と書かれている広告を見かけたことがあると思ます。
新築の予算の目安に坪単価を教えて欲しいという方も多いです。
『坪単価とはなにか、どういう計算をするのか』について考えてみたいと思います。

坪単価って?

坪単価とは建物の面積、1坪当たりにかかる建築費だと言われています。ちなみに1坪とは面積換算で約3.30㎡ほど。身近にあるもので例えると、畳2枚分程度の広さのことです。

計算式は下記の通りです。

 
『本体価格』÷『建物の面積(坪数)』=『坪単価』
 
このことから坪単価が分かれば予算目標がわかると考える方が多いです。
実はこの『本体価格』、『建物の面積(坪数)』には落とし穴があります。

本体価格って?

坪単価計算での本体価格は主に建物本体だけにかかる費用を指す場合が多いです。
本体価格に含まれない事が多い工事とは、敷地内部の砂利敷きや植栽、カーポートや門扉・フェンス取付などの外構工事、食器棚や収納庫などの家具工事、照明器具類、エアコンなどの空調器具類、浄化槽、キッチンやシステムバスなどのグレードアップ、サッシのグレードアップなどなど…他にも色々な項目があります。
どこまでを本体価格に含めるか、あるいは含めないかの設定が会社ごとに違うのがミソなのです。

(本体価格に含まれない事が多い工事の例)

▲カーポートや植栽などの外構工事

▲浄化槽工事

▲エアコンなどの空調器具類

【本体価格に含まれない事が多い工事の概算】
ちなみに、例に挙げた工事を行う場合の予算は…
●外構工事:70万~100万ほど
●家具工事:50万~70万ほど
●照明器具:30万~50万ほど
●エアコン:30万~50万ほど
●浄化槽:50万~70万ほど
●キッチンやシステムバスなどのグレードアップ:50万~70万ほど
●サッシのグレードアップ:30万~50万ほど
合計すると、約310万~460万ぐらいの予算が必要になるでしょうか?

建物の面積って?

坪単価計算へ使用する面積に決まりはありません。延べ床面積を使用せずに施工床面積で計算する場合が多くあります。
施工床面積とは延べ床面積から除外されている玄関ポーチやデッキ、小屋裏収納やロフト、吹き抜けなどなど…工事で施工する部分を全て含んだ面積のことです。施工床面積と延べ床面積は大きく違う場合があるので注意が必要です。
ただし、これらの工事は通常の居室よりも天井高さが低くかったり(小屋裏収納、ロフトなど)、一部分だけの施工だったり(玄関ポーチ、木製デッキなど)するので、坪単価計算を行う場合には、それぞれの面積へ低減率を掛けてから面積算入する場合が多いです。

例えば延べ床面積の坪数が約35坪で本体価格が3000万の2階建て木造住宅があるとします。この時の坪単価は3000万÷35坪=約85万/坪です。
ここに延べ床面積には含まれない玄関ポーチ、木製デッキ、ロフト、吹き抜け、諸々の合計に低減率を反映した坪数が約7坪ほどとすると、施工床面積の坪数は約42坪。坪単価は3000万÷42坪=約71万/坪となり、一気に約14万円も安くなります。

ちなみに、延べ床面積とは建築基準法で定められている面積のことです。

【延べ床面積】
建築物の各階の床面積(※1)の合計による。~以下省略~(引用:建築基準法施工令第2条1項3号)
(※1:床面積=建築物の各階またはその一部で壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積による。(引用:建築基準法施工令第2条1項3号))

まとめ

坪単価は新築の予算目標に設定したり、他社との比較に使用するには向いていません。

坪単価の計算は明確な基準が定められていません。会社ごとの設定一つで簡単に変動することがお分かりいただけたと思います。
また、坪単価が安いから良いとは言えないし、かといって高いから良いとも言えません。まずは自身の優先することが何かを考えることが大切です。それはお気に入りの外観であったり、住環境の快適性であったり、設備のグレードの高さであったり、理想の住宅に求めるモノの優先順位は人それぞれです。
『私の理想の住宅』を実現する時には、我慢しなければいけない部分が出てくるかもしれません。『いくらあれば家を建てることが出来るか?』ではなく、『限られた予算の中で自分が大切にしたいモノをいかに実現するか』を考えながら、メリハリを利かせた予算計画を立てる必要があります。
その為には、信頼できる設計事務所などと打ち合わせを重ね、理想と現実をすり合わせていく作業こそが重要なのです。