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面取り加工。

私の事務所ではほとんどの場合既製品の家具や建具類を使用することはなく、図面に詳細を描き込んで、建具屋・家具屋でお家ごとに製作します。土間有り、大開口有り、吹き抜け有りの個性的なお家では、その方が得たい雰囲気を実現できるからです。
和風に仕上げたいときにはガラスなどの枠の縁に装飾を施すことは少なく、プレーンに角面で仕上げることが多いのですが、洋風にしたいときには面取りをすることがあります。一口に面取りと言ってもどんなものなのか説明しにくいものなので、建具屋さんにサンプルを作ってもらいました。写真左側がひょうたん面、右側がぎんなん面。
ひょうたん面はガラスとの取り合い近くの面が引っ込んでいます。化粧面を取りだして二つ向かい合わせてみるとひょうたんの形に見えるのでこの名が付いたそうです。ぎんなん面はガラスとの取り合い近くの面が逆に膨らんでいます。微妙な違いですが、ひょうたん面の方は軽快で動きが感じられ、ぎんなん面はどことなく重厚で落ちつきが感じられるように思います。
これらの面取りした縁を持つ建具に着色を施すと益々洋風になったりします。建具一つで住まいの雰囲気もそこはかとなく変わってくるものです・・・家づくりは奥が深い。