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木の香りは心と体をリラックスさせる。

新しく出来たお家に伺うと、新築特有のニオイがします。その原因は新建材から放出される化学物質が主な原因です。現在では厳しく規制されていますので、住まい手に影響を与えることは少なくなっていますが、ひと昔前にはそれらが大きなマイナスの影響を与えました。木のお家でも新築特有のニオイはします。しかし、大半が木の香りで、自然を感じるとか気持ちが落ち着くとか、おおむね好意的に受け取られているようです。木の家に使われている杉や桧などの針葉樹のニオイについても研究が進んでいるようなのでご紹介します。
男性被験者(20歳代・14名)に対し、20秒間の安静の後、90秒間杉チップのニオイを呈示し血圧を計測しました。その結果、吸入開始後収縮期血圧が低下し、開始後40~60秒で吸入前に比較して有意な低下を示しました。血圧が低下したということは杉のニオイによって体がリラックスしたことを表していると解釈されています。
また別の実験では、杉材から揮発したニオイがストレスを抑制したという報告もあります。大学生16名に対し、杉内装材を設置しない部屋と設置した部屋で30分の計算課題を実施し、唾液中のストレス指標となるアミラーゼの活性を計測したところ、杉材なしでは上昇し、杉材ありでは低下する傾向にあったそうです。アミラーゼの低下は計算課題によるストレスを杉材から揮発したニオイが抑制したものと解釈されています。
木の家は、私たちが想像するより大きなリラックス効果を日常的に生み出してくれているようですね。