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春の息吹。

子供時代には携帯やテレビゲームなどがまだなく、遊び相手はもっぱら海や川や山などの自然・・・現在の多くの子供たちとはまったく違う経験をしながら育ったせいか、今でも行く先々で知らぬ間にそれらに目が行きます。
写真は串本の有田の川で撮ったもの。この川も高速道路の工事に絡んで随分と触られてしまいました。瀬には重機が入って石も草もなくなり、川底が見えていたきれいな水は濁り泥が堆積し、淵は埋まってしまってもはや魚が群れる場所ではなくなりました。ああ~又ひとつ川が死んだ・・・と思ってみていたのですが、2年程の間に魚が戻りはじめているようです。
鮎には少し早いので、この魚の群れはボラの子たちでしょうか。水草ひとつない川でも元気に群れています。人間たちが、寒いや暑いや風が強いなどと一喜一憂している間に、川の中ではしっかりと季節が刻まれていました。
道路も堤防もなしでは生きられません。しかし人が、自分たちも自然の一部なのだと自覚しなければこんな光景ももうすぐ見られなくなることでしょう・・・考え時です。