本文までスキップする

読みもの
Article

また川が死ぬ~。

何年か前の紀伊半島豪雨以来人の手が頻繁に入り、鮎などのそこに住む魚が激減し、富田川が死んでしまう~・・・と書き込んで以来のショックに先日見舞われました。場所は串本、毎月墓参りにかよう正覚寺の前の川。
小学2年までは私もこの地に住んでいましたから、泳ぎに魚取りに随分とお世話になっていた川です。写真の少し上の淵では、まだしっかりとは泳げないのに上級生に交じって岩場から飛び込んでいた・・・と亡くなった母親が話してくれました。右手にある小学校の休み時間ごとに、堰を上っている鮎を手づかみしに走ったものです。石垣の穴は格好のウナギの穴釣りの場所でした。親父に作ってもらった道具を持って小学1年生の時にはもうウナギ釣りに出かけていたそうです。
訪れる度に自分のルーツを見るようで懐かしんでいた川が・・・先日行ってみると工事中・・・なんでそんなに川を触るの!川の様子は一変し、特に危険そうには見えなかった石垣もコンクリートに覆われています・・・またたくさんの生き物たちが住み家をなくしたことでしょう。分別があるのかないのか・・・自然に手を入れる時にはよほど考えてからにして欲しいものです。
人口も減っていくこれからの私たちに必要なのは自然回帰です。何もかもコンクリートで固めてしまう方法にはすでに破綻も見え始めています。特に人口減少の激しい田舎の場合には真剣に取り組まなければならない分野です。急峻な国土に降る雨を、如何に緩やかに海に返していくのか・・・その間にどんなふうに利用して豊かな恵みを得るのか・・・もう一度、そろそろ考えはじめないと大変なことになりそうな気がします。