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クリント・イーストウッドの作品は渋い

先日来クリント・イーストウッドの映画を何本か観ています。今回観たのは2004年に発表されたミリオンダラーベイビーと、2012年の人生の特等席。
彼の作品はどれも激しい。ところが画面はうって変わって淡々として静かなものです。内容と表現が今ひとつ一致しないのが、かえって激しさを際立たせます。特に自身で監督をするようになってからこの傾向は顕著です。
彼が演じるのは一貫して頑固親父。絵に描いたようなアメリカの頑固親父で、私の周りにはこんな人は居ません。もっとも、特殊な人格だからこそ映画になるのかもしれませんが。彼自身がこんな人なのでしょうか?これだけ見せられると、はたして役なのか、ご本人もそうなのか分からなくなります。柔らかな表情が印象的だったのはマディソン郡の橋でメリル・ストリーブを口説いていたときぐらい。
作品に強烈なメッセージを込めるのも彼の特徴。しかし、そのメッセージがみんなの賛成を勝ち取れるものとは限らない・・・のも特徴。今回の2本でいうとミリオンダラー
ベイビーに良く表現されています。はたして、人の尊厳はいかにして保たれるべきなのか・・・アカデミー賞をいくつも獲得したこの映画の描いているところは、私たちの永遠のテーマでもあります。