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LASCAUX(ラスコー)。

LASCAUX(ラスコー)というフランスの洞窟のことはお聞きになったことがあるのではないかと思います。今を遡ること4万7千年から1万5千年ほどの昔・・・この地にたどり着いた我々の祖先ホモ・サピエンスはこの洞窟の中に素晴らしい絵を残したのです。古代の牛オーロックスやマンモス、サイやホラアナグマ・ホラアナライオンなどの今はもうヨーロッパにもこの世にもいない動物たちと共に、馬・鹿・トナカイなどが何百も描かれているのだそうです。
4万5千年ほど前にはホモ・サピエンスと共に種類の違う人間・ネアンデルタールもいたそうですが、絵を残したのはホモ・サピエンスの方だけ。我々の方が何かを生み出す力がより強かったのでしょう。その後にネアンデルタールが滅んでしまったことに鑑みてみると、ものを生み出す力の偉大さが分かろうというものです。
日本には・・・3万8千年ほど前に最初の人類がたどり着きました。ユーラシア大陸をひたすら東に進んだグループと、インドの海岸沿いをオーストラリアまでたどり着いたグループの末裔が、同じ様な時期に到着したようです。二つのグループの特徴は海を渡る技術を持っていたこと。海面が100メートルほども下がった氷河期でも、日本列島は大陸とは離れていたようです。ヨーロッパや他の地域で海を渡ることが出来るようになったのは1万年ほど前。ちなみに、人類(ホモ・サピエンス)が生まれたアフリカ大陸でも、すぐ隣のマダガスカルに到着したのはほんの2千年ほど前にしかならないということですから、3万8千年前に航海技術を持っていた日本人の祖先は優秀だと言えます。
この本は、私がこの手の話し好きだと知っていて長女が貸してくれたものです。最初は資料の羅列ばかりでとても読みにくかったのですが、読み進むうちに段々と面白くなってきて・・・日本の縄文古墳群も世界遺産に認定されるとかされないとか・・・いやはや、やはりこの手の話は面白い。