本文までスキップする

読みもの
Article

ブラス !。

ブラスは1996年に作られたイギリスとアメリカの合作映画です。イギリスの田舎町の閉鎖される運命にある炭鉱のブラスバンドのお話し。
街を支える基幹産業である炭鉱の閉鎖話が持ち上がって街は騒然。住民投票までして、すったもんだでとうとう閉鎖が決まってしまった・・・と街の人たちは思っていたが、会社側は実は2年も前から閉鎖を決めていた。大変な状況にある人々の気持ちをやっと支えていたのは、炭鉱夫で構成するブラスバンドの活動。地区の予選を勝ち抜いて決勝に臨む頃には、それまでバンドメンバーにきつくあたっていた人々にとっても地区を代表するこのブラスバンドが、つらい日常を生きるただひとつの希望となる。
優秀な対戦相手に萎えかけた心を奮い立たせて、とうとう優勝をもぎ取った。優勝スピーチで、病気を押して駆けつけたバンドのキャプテンが観客に向かってこう言う。皆さんは可哀想なアザラシやイルカのためには立ち上がる。しかし、窮地に追い込まれた人間のために何をしたのか・・・。
イギリスらしく、重たい課題を重たい画面で突きつけてくる。アメリカ映画にはない雰囲気の、人間味あふれる素晴らしい映画です。