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びっくり土間の家 大屋根工事
びっくり土間の家では、2階の各部屋の天井は杉の化粧野地板あらわし仕上げです。建物が完成しても、写っている写真のままに梁や垂木・野地板があらわしとして見えている、木の家らしい天井です。

通常の天井板とは違い、斜めに張られた杉の化粧野地板は構造体も兼ねていて、建物全体の耐震・耐風性能の向上にも寄与しています。まっすぐに張られた野地板に比べると、屋根に約1.6倍の剛性をもたらします。ちなみにこの建物では、耐震等級3・耐風等級2の現在ある基準の最高値を確保しています。
屋根面や床面がしっかり出来ていると、壁面に加えられた地震や風などの外力が当該壁のみに集中することなく、屋根や床を通じて建物全体に分散され、建物全体で対応することが出来るようになります。つまり、おなじ壁の強さの建物でも、屋根・床をしっかり造っておくと耐震・耐風の性能が高く確保できる・・・というわけです。

2階の天井が杉板1枚、となると暑さ・寒さは大丈夫なの・・・と不安になる方もおられるようです。しかし、心配ご無用。杉板の上にはちゃんと断熱層があって、さらには通気層もあって、断熱の対策は万全です。
屋根の断熱には屋根面断熱と天井断熱があります。屋根面断熱とは今回建物のように屋根面そのものに断熱施工を施す方式のこと。この方式だと、熱は屋根面で遮断できるので天井裏を室内として有効・快適に使用できます。たとえ天井を付けても室内と天井裏での温度差は少なく、天井裏の風抜きなども必要ありません。
天井断熱は天井板の上に断熱材を敷き込む方式のこと。比較的簡単・安価に施工できるため採用例も多いのですが、室内に熱は伝わらなくても天井裏は外気と同じ温度になるので施工精度が心配になる上に、通気や湿気抜きのための通風口も必要で、そこからの雨の侵入なども心配です。

外部となる軒裏などは建物強度に関係がないため、垂木に対して直行するように化粧野地板を張ります。外壁と屋根の間にあるスリットは、壁の通気層を上がってきた温まった空気が屋根の換気棟に至るために必要な大切なルートです。