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びっくり土間の家
昨年末より着工しましたお住まいの工事の様子をご紹介をさせていただけることになりました。しかしこの住まい、普通の住まいとは少し違っています。私がこの住まいに付けたタイトルは「びっくり土間の家」。

普通の住まいって何?・・・という疑問はあるとして、設計者としては、住まい手独特の思いやこだわり、住い手らしい暮らしぶりを無理なく住まいとして成立させて提供したいものだ・・・と常々思っています。現場レポートの前に少しこの住まいの独特な成り立ちや設計の過程でのお話をします。
はじめてクライアントのお住まいを訪ねたのは一昨年の春でした。以前は医院だったという既存屋を購入されて、自分たちなりの手直しを加えてきた・・・とおっしゃるお宅は、どこでもよく見かける普通(?)の住宅のような外観です。しかし、玄関扉を開けたとたんにびっくりしました。写真のような創作作品があふれていたからです。
しかも、作品の分野の広さにかんがみても、一つ一つの完成度をとっても、趣味で・・・というような範ちゅうにはありません。よくよくお話を伺っていくと、クライアントご夫婦は本職のクリエーターでした。イラストやロゴ製作などを中心に幅広く活動されていらっしゃるとのこと・・・そう聞いて初めて納得できる作品の質と量です。

少ない写真では到底ご紹介できないほどの作品の数。服飾デザインなども手掛けられていて、大きなミシンも3台ほどあり、自分たちの着るものなどはお気に入りに任せて作ってしまうということでした。
ご夫婦で創作活動はされているようですが、ご主人のお得意分野は電気関係。趣味が高じて電気工事士の資格まで取ってしまわれたそうです。在庫されている部品数も相当なもの、ご主人の部屋の壁一面に棚が組まれ、所狭しと部品や工具などいろいろなものが置かれていました。

さて、これらの大量の作品群と在庫品、はたまた創作活動にあてる作業空間とそれらに伴う事務のスペースを、住宅という入れ物にどう組み込んで日々の暮らしと融合させていくのか・・・なかなかに難しい、しかし楽しそうな課題をいただきました。