本文までスキップする

読みもの
Article

すさみの家 木製家具・建具 そして竣工

下駄箱は全ての部分を龍神産の桧で造りました。長さは1.8メートルほど。半分ほどは扉を付けましたが、半分は使い勝手を優先して扉は付けていません。内部の棚は全て可動式です。

2階の洗面所には洗面化粧台を造り付けています。柱型などがあって壁面に凸凹がになりますので、既製品がうまく収まらないのです。洗面台天板は人工大理石の1枚物で継ぎ目がないうえに立ち上がりに水栓が付いていて取り付き部分の汚れも少なくて済みます。3面鏡の後ろは収納棚、柱型の凹みを利用できたので20センチほどの奥行の収納が出来ました。洗面天板、鏡収納、下部収納はそれぞれ別に出来ていて、家具工事で造ったのは鏡収納だけですが、集合すると一体の造り付けた家具のように見えます。

1階の洗面化粧台は、桧の天板に医療用の大きくて底が平らな陶器の洗面器を埋め込んだ天板を採用しています。作業スペースが大きく取れて実用的な洗面になりました。鏡の後ろには収納を付けています。ここでも家具工事は鏡収納だけです。天板は大工工事で、洗面器や水栓は給排水工事で、下部の扉は建具工事で造っています。全体で造り付け家具のように見えるように工夫しています。

4枚目の写真は松の天板の書斎机です。実はこの机は、もともと座卓として出来上がっているものをいただいたのですが、座卓を使用する予定がなかったので、机として造り直してもらいました。

座卓の時にもきれいな松独特の木目は出ていましたが、全体にアクリルクリヤーの塗装がかかってピカピカのツルツルだったので、全体に削り直して足を変え、大きく造り直してもらったのです。このテーブルも足は鉄製。小さな部屋に納まってしまってあまり見えないので、簡単なLアングルの足にしています。蜜蝋ワックス仕上げで見事な木目は相変わらずです。

5枚目の写真は仕事用の大テーブルです。パソコンや資料を一堂に広げて作業ができ、ある時にはこの机で打ち合わせやミーティングなども出来るようにと2.8メートルの長さがあります。素材は龍神産の桧。流石に1枚物はなかったので、3枚の板をはぎ合わせて造っています。足は鉄製です。

建具は基本、桧の枠に桧の小幅板を縦に建て込んだ意匠で製作しました。トイレや収納などの照明器具の消し忘れが発生しそうなところには、確認できるようにスリットを付けます。個室や物入などはスリットのないシンプルな意匠で、素材はいずれも龍神産の桧です。

家具・建具が付くといよいよ工事も終わりです。3月に着工した工事が12月までかかるとは想像していませんでした。紺屋の白袴を大いに反省しているところです。みなさんのご協力を得て、おかげさまで完成にこぎつけられたことに感謝しています。ありがとうございました。