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のぞみ園生活介護施設 大屋根と外壁

大屋根は、軒先の鼻隠しやケラバの破風板を包む板金工事と共にすでにほぼ仕上がっています。屋根頭頂部の換気棟の取付を残すのみです。

換気棟を付けるところに現在付いているのは工事中の雨水の侵入を防ぐ仮のシートです。これをはがして、屋根面の本格防水であるゴムアスシートを切り開いて屋根・外壁通気の排出口を設け、その上に換気棟を付けます。換気棟の長さは屋根・外壁の必要通気面積を計算し、それに対応した長さとします。

外壁にはアルミサッシが付き始めました。今回建物は木造ですので、アルミサッシも木造用です。木造用のサッシには既製品寸法が設定されているので、建物各部の寸法は出来るだけ既製品寸法が納まるように工夫して設定されています。

外壁下地には木質系のインシュレーションボードを使っています。段ボールをグッと圧縮したような品物です。このボードは外力などの構造的な力は負担しませんが、断熱の性能が高く、何よりも透湿抵抗が低いのが特徴です。

外壁面の透湿抵抗の低さは、快適な空間づくりに大いに貢献します。室内の湿気を屋外(外壁の通気層)に排出することが出来る工夫が施せるからです。この建物は、室内の珪藻土・無垢板・和紙などの湿気を通し調節する仕上げと、人にやさしいために袋に入っていないので透湿抵抗がとても低いパーフェクトバリアという断熱材と、外壁下地のインシュレーションボードの組み合わせで、湿気の調節がとてもうまくできるようになっています。もちろん、結露計算を経て壁体内の結露はないようにしています。

室内にビニールクロスを貼り、壁内にグラスウールなど断熱材を入れて、外壁下地を構造用合板で造ってしまうと、室内の湿気は逃げ場を失って、不快な室内環境になったり、結露が発生したり、カビが生えたり・・・などの不具合を招くことがあります。

玄関サッシだけはコンクリートの土間との取り合いもありますので、木造用でなく汎用のサッシを使いました。屋根・壁の各部の構造と同じように、欲しい性能・得たい快適性を確保するために適材適所で使い分けます。