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すさみの家 左官工事
内部の珪藻土塗などがひと段落したので、左官工事は外部に移っています。新しく玄関ポーチとなるのは、既存建物が店舗を営んでいた頃にクルマ置きとなっていたところ。

まずは段石として20センチ長さの金錆石(黄色い御影石)を並べます。ポーチの下部は念のために新たに塗り床防水をしましたので、ピンコロ石(段石)はその部分まで。あまり広くはありませんが、住宅のポーチとして充分な面積が確保できました。
これまでは店舗の造りでしたので、段差なく室内に入れるように設えていましたが、今後は住宅として使いますから、住宅らしくポーチ部分は土間から15センチほど上げています。上がった部分にはコンクリートを打設して全体のかさ上げをします。これは室内の玄関も同じです。

左官さんは特段に専用の定規を使うこともなく、きれいに水勾配を取りながらコンクリートを均していきます。左官仕事はただただ壁を塗っていればいいというものではなく、石積やコンクリート打ち、果ては型枠入れ迄何でもこなします。継承の難しい仕事と言われるのも、仕事内容ばかりでなく、仕事範囲の広さからも想像できます。特に最近は時間と手間のかかる湿式の工法は少なくなるばかりですから益々大変でしょう。
表面の仕上げは真砂土モルタル・木コテ押さえにしました。砂と白セメントを混ぜたものに真砂土を混ぜ込んで少し土色に仕上げます。真砂土モルタルは通常のモルタルに土を混ぜ込みますので、その分モルタルより柔らかくて傷付きやすかったり割れやすかったりしますが、それもまた味わい・・・ぐらいのつもりです。

表面仕上げをきれいな金コテ押さえとしなかったのは、雨などの日に濡れてすべりやすくなるのを防止するためです。塗ったばかりの時には御覧のように少しグレーぽくも見えますが、乾いてくるともう少し白く、壁の色に近いベージュになってきます。そうそう、段石の下のあの色です。