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のぞみ園生活介護施設 事務所検査と屋根工事

役所の検査とは別に、工事の監理者として必要な検査は行います。今回行ったのは筋交い・金物検査です。これまでは平気で高いところにも登っていましたが、最近では寄る年波か、はたまた人生最大の体重を抱えてしまったことが災いしてか、高いところは若い人に代わりに確認してもらっています。

通常の住宅程度の検査では別に問題なくても、そこそこの規模の施設になると結構天井(階高)も高く、梁組もそれなりに高所にあります。確認のヶ所は梁上に直接登って行うので大変です。工事の工程上、一度に確認はできませんでしたので、今回は梁から上の金物検査が中心です。

木造建築物は柱や梁に充分な耐力が確保されていても接合部の強度が不足することが多く、構造解析が進むにしたがって、金物は数も種類も多くなります。木材と金物は強さが桁違い(金物が強い)ですから、金物やヶ所の選定に関しては、あまり強すぎない金物を無理せずバランス良く取り付ける・・・を心掛けながら設計しています。たとえ金物がしっかりとしていても、取り付けたヶ所がいざという時に破壊されたのでは、期待した力は発揮できませんので・・・。

屋根は、先日ご紹介した杉板の斜め張りの野地板の上に通気層を取って、その上に構造用合板の野地をもう一枚施工した上で、防水施工をします。ちなみに、最終の屋根下の野地板は通気層の外側ですので人のいる室内に影響はありませんので合板で何の問題もありません。防水として使用しているのはアスファルト系の防水シート、野地板面に接着面を持つ品物です。

屋根勾配は4寸と標準的でも、実際に上ってみると随分高く感じます。足元に不安を抱えているとちゃんとした仕事が出来ません。接着面を持つ防水シートはその分高価ではありますが、ズレがなく安定した防水層を確保するだけでなく、職人の安全を確保するためにも必要な投資だと思います。

ここまで出来ると屋根から雨水が落ちてくることはなく、一応の雨仕舞は出来たことになります。これからは雨の振り込みの心配をすることなく、室内の木工事に取り組めます。