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のぞみ園生活介護施設 役所検査と屋根工事

上棟工事が終わると最初に行うのは屋根の工事です。今の季節は毎日晴れ間が広がるわけでもないので、しっかりと水の仕舞は出来なくても、まずは雨に備えてブルーシートが掛けられるように垂木を取り付けます。

垂木の間には面戸板という部材を挟みます。垂木のコケを予防しながら、屋根の荷重を梁にしっかりと伝えるための部材です。これまで垂木や面戸は何本もの釘で梁に止めていましたが、今はそれらの部材を止めるための専用ビスがありますので随分と楽になりました。

建物の規模に応じて、垂木・面戸板などの部材は街中でよく見かける住宅のそれよりも一回りを超えて太く大きなものを採用しました。建物が仕上がるとこれらの部材は見えることはなくなりますので、通常は野材と言って目込みが粗かったり節が多かったりする木も多いのですが、この現場では梁を製材した時の良質な木の端材から取っているため、野材と言えども結構な目込みの良材で出来ています。

垂木の上に付くのは野地板です。最近では構造用合板で施工することがほとんどです。しかしこの現場では、通気層の内側にあるため、室内側に化学物質の発散がないように杉の無垢材で野地を構成します。この野地板までのところをいったん透湿防水シートで覆い、その上に通気層を取って、あらためて屋根下地の野地を造ります。その時の野地板は通気層の外側なので、人に影響を与える心配はなく、構造用合板を使用します。

多くの現場で野地板は垂木に直行する形で、梁に並行して横に張られることが多いのですが、この現場では1間(2メートル)ごとに互い違いに斜めに張ります。こうすると、横に一様に張った時より1.6倍ほどの水平力を発揮することができ、丈夫な建物を造りたい時に適します。

屋根がそろそろ出来てきた段階で役所の木材検査を受けます。抜粋ではありますが、特徴的な寸法の柱などはメジャーを当ててしっかりと確認していただきました。柱はまだ床から安全に計れますが、梁類は柱の上なので大変です。ご苦労様でした。