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古民家再生 大阪府堺市 左官・石工事
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大工工事も大詰めを迎えているが、同時に左官や石の工事も始まった。まずは間取りの変更に伴い、位置や形状が変更になった外壁の開口部の手直し部分から。外壁は既存に合わせて漆喰塗とするが、いま行っている工事はその下地のモルタル壁の補修。
建物は何回かの改修・改装工事を受けている。新築当時から残っている開口部には木製建具が入っている。後の工事で入ったのはアルミサッシである。今回は断熱性能の高いアルミと樹脂のハイブリッドサッシが入る。開口部の部材にも時代が反映される。
ところで、古民家再生工事の中でも左官工事は特に難解なところが多い。大工工事はいかに複雑に組まれていても解体していけば組付けの理屈や順序が理解できる。しかし、左官材は見た目ではとんと解析が出来ない。何と何がどんな分量で混ぜられて、どう仕事されているのかが分からない。それぞれの左官職に代々伝えられている手法や作法に頼るよりない。左官職は技術の継承が最も難しい職種といっても過言ではない。
玄関戸の敷居には黒御影の石を磨き加工して使った。きめ細やかで艶やかで、周りの雰囲気を引き締めてくれる。柱の下部などの、土間に接する部分には、土間からの給水がないように敷居と同じ黒御影の束を用意して、土間との縁を切った。
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